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わたしの席は窓際の一番後ろだった。
目立たないすみっこでよかったと思う。
ただでさえ、編入生って意味で目立っているから。
周りの子にはよろしく、と次々に声をかけてもらえたし、休み時間になれば主に女の子たちに囲まれ、質問の嵐。
"どこから来たの?"、"誕生日いつ?"、"好きなタイプは?"──と、答えても答えても尽きなくて。
休み時間毎に続いたものだから、なんだか取材でもされたような気分。
でも、話してるうちにどんな子か分かってきたから、仲良くやっていけそうな子もいたから、新しい学校生活のスタートにしては上々。
──そして、授業と質問されただけで放課後を迎えてしまったわけだけど……このまま帰る、なんてことは出来ず。
わたしな生徒会室に向かっている。
放課後、生徒会室へ来るようにと編入前日、校長先生から直々に連絡があったからだ。
星原学園の住所で出された匿名の依頼の件を、内密にすることを条件に、お父さんが事前に校長先生へ話していたというのもあって、娘であるわたしがとりあえず話すことになった。
「あ、あった生徒会室」
ドアに耳をすませば中から二人分の話し声がして、胸元のリボンを直してから、ノックをした。
どうぞ、と返ってきたのを聞いて、ドアを開け中へ。
「失礼します」



