探偵男子たちが強すぎる


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無事に星原学園に着き、昇降口でわたしが入るクラスの担任の先生が待っていて、そこから軽く学園についての話やお手洗いの場所などの説明を受けた。
職員室で軽く挨拶をして少し待機した後、先生と教室へ向かうことに。


──うぅ……

学園近くから校内に入ってからちょっと前まで、"編入生ってあの子かな……"っていう小声と視線を沢山浴びたからか、緊張してきた……。

「リラックスしてね」 
「あ、ありがとうございます」

わたしの背中を擦って、先に先生が教室の中へ入っていく。
優しそうな女の先生でよかった。

……ああ、中から聞こえる。挨拶と共に編入生話が。
やっぱりさっきの子だ!とか、女子?男子?とか。

『はーい、静かに。編入生さんを紹介しますよ。どうぞ、入ってきて』

──……よし、大丈夫、大丈夫。

両頬を叩き気合を入れ、わたしはゆっくりとドアを開けた。

女子だ、と複数の声が耳に届く。
そして、いっきにクラス全員の視線が集まってくるのを感じつつ、微笑む先生の隣に並び、皆の方へ体を向ける。


──敵ではないとは言え、すごい圧のようなものを感じちゃう……。

「桜木蓮佳です。今日からよろしくお願いします」

わりと深めのお辞儀をして頭を上げれば、

「よろしくー!」
「けっこう可愛くない?」
「分かる」
「後で話そっ!」

続々と声が飛び交い、何に返事をしたらいいのか戸惑うも、とりあえず笑顔を返しておいた。

……うん、クラスの雰囲気は悪くなさそう。
依頼の件もそうだけど、学校生活もうまくやっていけたらいいな。