探偵男子たちが強すぎる


……どうしたものかな。
三人がいるから、通る場所を確認した通学ルートで行けなくなった。

とりあえず信号変わったら猛ダッシュ。からの、細い道入って、人が多い通りに抜けよ。
こんなこともあろうかと……事前に複数の道、頭に入れといてよかった。

「もうすぐだ」

鞄をリュックのように背負いスタンバイ。
あとちょっとで、青に……変わった!
一応、ダッシュする直前に左右を確認してから一歩目を踏み出す。

でもこのやり方はお見通しのはず。
だからここからいかにぐちゃぐちゃなルートで走るか。
走りながら細い道に入り、細かく曲がってはまた通りを進むことを繰り返していく。
途中、どっちの道か迷った時もあったけど、止まる暇はない。

完全に一人もついてきてないのを確信するまで、学園への距離を考えながら道選びをした結果……


──()けた撒けたっ。 


「これで何も気にせず歩ける」

ちらほら同じ制服の子がいるから、道は間違ってなかったみたい。安心、安心。
ホッとしたのも束の間、後ろから肩を叩かれ振り向けば、黒いパッツン髪の男の子がいて、わたしは首を傾げた。

「……あれ、ごめん人違いだった」

ごめんねー、と男の子はゆらゆらと手を振って行ってしまった。
今の子も同じ制服だし、友達と間違えたのかな。後ろ姿似てた、とかね。