とは言え、わたしも力に自信があるわけじゃないから、力で押すことは出来ない。だから……テクニックで勝つ。
残りがこの子ともう一人だけなら、もう温存する必要は無い。
わたしも相手が誰でも──全力で行く!
よし……。
足が速いってことは、すぐに間合いをつめられるってこと。でも攻撃の威力は跳ね返せるレベル。
なら、懐に入ってくる相手より、一手、二手……速く、多く出すのみ……!!
拳を軽く受け流し、横から自分の拳を入れにいった。これで気絶させる!
「……っ!?」
当たる寸前とあることに気付き、わたしは自分の拳を自分の手で止めた。
バチン!と受け止めたのが自分の拳なのに、結構ジンジンする。
「危なかったぁ……ギリギリセーフ」
目の前で止まった攻撃に驚いたのが尻もちをついた女の子。フードが重力に逆らわず落ち、やっと全て顔を見ることが出来た。
ああ……やっぱり。
「……なんで、アタシへの一手止めたの?今のであなたが勝ったかもしれないのに」
目を丸くさせ、わたしを見上げる女の子。
「まぁ、勝つ気で行ったんだけど、寸前にうっすら綺麗な顔が見えたから」
「……そんな、理由で?」
「だって……雑貨屋さんで会った綺麗な子だ!って思ってつい、ね」
あはは、とわたしは苦笑いをしながら頬を掻いた。
「ヒバリ!」
「お兄っ……」
リーダー格として壱弥くんたちと対峙していたはずのもう一人が女の子のもとへフードを取り駆け寄ってくる。すぐに壱弥くんと夏音くんもこちらにやって来た。
「急に走って行ったから、何事かと思えば……どういうことだよ」
「兄妹?やったんか」



