探偵男子たちが強すぎる


はずだった──

突如枠内に現れた猛スピードで迫る一人にプラス二人の気配があって、わたしはそばに居た紫音くんの背中を押した。

その一瞬ですでに蹴りのモーションにはいられているのが分かり、腕をクロスに受け身を取りにいく。
左右にいた二人はわたしを通り過ぎ、紫音くんの方へ向かった。今の二人は任せよう。

──って、あれ?

勢いよく蹴られたわりに、さほど威力は感じられなかった。むしろ軽い。ってことは、この子……完全にスピードタイプだ。

急な刺客の足を跳ね返すと、蓮佳!レンちゃん!蓮佳先輩!と三人の声がした。
分散したのか!?、とイヤホンから聞こえてくるも……。

「えっ」

同じく黒いパーカーのフード被る子からは、長いベージュ髪が風でなびいていた。

──もしかして、女の子っ……!?

「……今ので倒れちゃえば良かったのに」

声的に女の子だと確信し、見えている顔半分の表情は悔しそうに歯を食いしばる。

「アタシ、相手が誰でも容赦しない。傷つきたくないなら仲間呼んでもいいよ。今のうちに」

顔半分しか見えないけど、この女の子の話し方から"あなたより強い自信があるよ"って言いたいのが伝わってきた。
……要は、わたしが見下されているってこと。

間合いを取ったままのわたしたちに、離れていても三人がこちらを気にしてるのが分かる。

心配されてるのかな、なんて思ったけどどうやら違うみたいで。

【いけるでしょ、蓮佳】
【ったり前やろ。ウチは心配してへんっ】
【先輩のかっこいいところみたい】

雑音まじりに三人の声がイヤホンを通して聞こえてきた。それに加え……

【──レンレン、いけるよね】

離れて見ている静空くんからも声が入った。
短期間で、こうも信じてもらえてるのはすごく嬉しい。

「余裕」