アレ、と口にした静空くんにわたしたちは頷く。
──実はここに着く直前、小さな無線イヤホンのようなものを全員渡されていた。
『ん?なんやこれ』
『今日から人数やばめのとこだし、こっち少ないから作ってみた。皆にもレンレンの敵感知を活かせるようにマイク機能つけたから、レンレンは分かる範囲で死角の敵教えてあげてよ』
『いやいや、簡単そうに聞こえるけどそれってウチらの場所や体の向きがわからんと無理ちゃうか?』
『……俺もそう思う』
どうなんだろ……誰かに教えるとかほとんどした事ないしなんとも言えない。でも教えられたるにこしたことはないのも分かる。
『感知は十メートル圏内でしたよね。なら全員この枠内にいれば、相手の気配が消えていく方に僕らの体が向いてる……つまり攻撃してるわけでしょ?だったら、消えない気配が自然と死角になるんじゃない?』
『ムカつくけど……ド正論や』
『まぁ、あとはレンレン次第。視野も人並み以上だと思うから、おれは問題ないと思ってこれを作ったんだよ』
それを活かすも殺すもわたし次第──と。
よそ者が来たことにより、グラウンドに集まるであろう約三二五人を待つ間、静空くんの指示のもと四人で十メートルの枠をグラウンドに引いていた。
動いてる最中に消えるかもしれない前提で、とりあえず四角く囲いわたしたちはその中で相手をしようということだ。



