探偵男子たちが強すぎる


「静、全部で何人くらいだっけ?」
「三二五人……丸々いたら」
「ってことは一人あたり……」

紫音くんが宙に計算式を書き始めると、静空くんが焦ったように(さえぎ)る。

「あ、おれは頭数にいれないでね?」

計算式を消すように宙を手であおぐ静空くんに、紫音くんと壱弥くんは目を細めた。

「あちらさんあんなに人数いても、静空先輩不参加なの?」
「お前本当に何も出来ないわけ?実は弱いと見せかけて強いとかないの?」

「俺に物理的強さは求めないで欲しい……体育の授業、ランニングだけでいっぱいいっぱいなんだから。一人も倒せないよ。むしろ倒される側だよ?」

わたしの後ろに隠れ、告げる静空くん。
会話に入ってこない夏音くんは未だ壮観だ、とひとり校舎を眺めている。

「最初に言ったじゃん?やれること違うって。おれは戦闘力ゼロー。儚げ美少年なの」
「なら一人あたり倒す数増えるから……」
「聞いてる?」

静空くんを抜いたわたしたちだけの計算を再びし始めた紫音くん。でもどうやら途中でめんどくさくなったのか、やめちゃったみたい。

「もう片っ端からでいいだろ。一人当たりの数もどうでもいい。数える方が面倒だし」
「この数ワクワクもんやなぁ。……なぁイチ、前に出来んかった、どっちが強いやつ見つけられるか勝負といこか」
「ノッた。見つけた方がそいつと勝負できる権利な」
「よっしゃ」

この二人、仲間同士でも勝負し合うのね……。

「あ、四人ともちゃんと"アレ"、活用してね。テスト使用的な意味で」