やっとキッチンから出てきた紫音くんは、大皿を片手に呆れながらわたしたちのもとへやってきた。
紫音くんのごもっともな言葉に、やり合う寸前だった二人がつまんなそうに座り直す。
一番年下だけど、紫音くん強し……
「ほら、甘いもの。おやつ時だし丁度いいでしょ?つまみながらも勉強出来るだろうし」
わたしと静空くん寄りに置かれたお皿には、猫型のクッキー。柄もさまざまで、胸が高鳴った。
「ね、猫可愛いっ……!しかもお顔までついてる。それに甘いもの助かる……けどもったいないなぁ……」
甘いもの食べたいけど、可愛いすぎて手に持ったままになってしまう。
「先輩、猫好きなの?」
「うん……大好き。ペット探しの影響もあって犬も好きなんだけど、猫はもうたまらん……どうしよう、食べたいけど食べれないっ」
「レンちゃん猫好きなんやな、覚えとこ」
「俺覚えた」
わたしが両手で一枚のクッキーを握りしめる中、隣からすごいバリバリと音が聞こえてきて……
「……うまー。モチベーションが回復するー」
「とか言いつつ、シズも勉強してへんやん」
「おれも平均は取れるから大丈夫なの」
静空くんは食べてはまたクッキーに手を伸ばし、皿の猫ちゃんをためらいなく頬張る。
壱弥くんと夏音くんも柄選びながら。
三人ともちゃんと、顔は見てから食べてくれてるけど。
「猫が好きなら、同じのまた作るからさ。美味しいうちに食べてくれると嬉しいな」
「またこのクッキーを?嬉しい……ありがとう紫音くん。大事に食べるから!」
「うん」
写真をひたすら撮って、わたしは葛藤しながらもクッキーを味わいながら勉強した。



