【星原学園のソトを安全にシテクダサイ】
一文とその下の方に小さく住所が記してあった。
『……手書きではないパソコンか何かで打ったものだろうけど、カタカナまじりだからイタズラともとれなくはないんだよな』
『でも、このたった一文を読んだらそのまま捨てるわけにもいかなくなった、ってところ?』
依頼書を返しながら尋ねれば、お父さんは静かに頷いた。
『んーじゃあ、わたしがこの星原学園ってとこに編入でもして、誰が送ってきたか様子を見る!……なんて』
割と軽い気持ちで口走ってしまったけど、お父さんは真に受けてしまい……
『なるほど……学生同士なら分かることがあるかもしれないし、悪くはない。それに──』
ひとり深く考えはじめたお父さん。
だけどそこからはもう、トントン拍子で編入話が進んでいった。
ペット探しもそうだけど、仕事をしているお父さんの姿はかっこいいし、尊敬も憧れもあるから、友達との別れももちろん悲しかった。
けど、何か力になれたら……って思いが、軽い気持ちで言った編入への決意を固めたのだ。



