「痛いいたーい、誰か心配してくれる人いないかなー近くにいないかなー」
「……え?」
"近くに"を強調し、チラチラとわたしを見てくる男の子。……なんて分かりやすい子なんだ。
痛そうな感じ、全くしないんだけど。
「あー起きるために手を差し伸べてくれるやさしい子、ぼしゅー中」
一応周りを見渡すも誰もいなく、この男の子を心配するのも手を差し伸べる役割も、どうやらわたしが担当しないといけないらしい。
「……あ、その、大丈夫?」
男の子のそばにしゃがみつついてみれば、
「大丈夫。ありがとうやさしい子」
男の子はすんなり起き上がった。
紺色の髪をパッツンにした前髪から、おでこに小石ついていたのが見え、手を伸ばしその石を取ってポロッと放る。
放った石を男の子は目で追うと、視線はまたわたしに戻った。
……あれ、この子どこかで会ったような?
「あ、間違ってわたしに声かけてきた時の男の子だ……よね?」
「おー覚えてた。おまけに親切。ありがとう編入生」
「わたしのこと知ってたんだ」
「うん、おれは相馬静空。同じ二年。呼び方、静空でいいよ。君の名前は知ってるから大丈夫」
ゆっくりと立ち上がる静空くんに合わせて、わたしも立ち上がる。
「こちらこそ、よろしくね。……ってことで、わたしは行くからまた──わっ!?」
散策に戻ろうと、軽く手を振って背を向けた途端、背中に乗ってきた……静空くん。



