「護衛はウチ一人で十分や。しかも何故かコイツまで依頼されたとか言うし、このまま話したとこで二人ともゆずらんのだからしゃーないな」
「確かにな」
え、嘘でしょ?こんなせまいとこで暴れはじめるつもり──
「これを見ぃ!」
「これを見ればいい」
二人がふところから出したのは、お父さんからの依頼書。それを机に叩きつけるように出し合い、見せあいっこ状態へ。
「……本物じゃん」
「……本物やんけ」
互いに顔を合わせ、一語一句変わらない書面を無言で返し合う二人。
「何がどうなってんねん!君のパピーが頼んだの、ウチだけやないってことかいな」
パピー……
「あ!あと一つ気になっとることがあるんやけど」
夏音くんは、テーブルに何も書かれていないはがきサイズの紙を一枚置いた。
両面ともに白紙だ。
「それなら俺にも入ってた。何を意味するかは知らない。けどまぁ、依頼書が偽造じゃないのは互いに確認出来た、っていうことは、結論は一つしかない」
お前の父さんが、"俺ら"に依頼をしたということ──
「探偵が複数の探偵に依頼した、ってことは……」
「一筋縄ではいかないってことだろ?内容は勿論聞いてる」
「要は不良共をきれいにすればええ。けど、蓮佳ちゃん一人や危ないと判断したんやろ。倒すにせよ、情報収集にせよ、な」
……わたしが編入して依頼の様子を見る、それだけでは終わらないだろうという、お父さんの判断。
さすがとしか言えない。見抜かれていた。
今日、白河くんたちから話を聞いて"片っ端からよくしていけばいい"と頭を過ってしまったから。



