「……しかし、普段から不用意によろしくない地域や他の生徒には近付かないよう、声をかけているので我々もどこがどういった風に良くないのか、詳しく把握していなくてね……」
お願いはしたいけど、何の情報も持ち合わせてはいない、と。
「そこは大丈夫です。やんわりとだけでも状況を知りたかっただけでしたから」
「ならば……もし、解決しても最後まで依頼主が分からない時は、私に全て請求してくれて構わないと、お父様に伝えてもらえるかな」
校長先生が……
それだけ今の環境をどうにかしたい気持ちが強いってこと、か。
「分かりました。そう伝えさせていただきます」
「……それでは、何かあればいつでも声をかけて下さい。私はこれで失礼しますね」
よろしくお願いします、と校長先生は深々とお辞儀をして生徒会室をあとにした。
……ふぅ。
校長先生って思うと、ソファになんてよりかかれなかったから、やっと背中がつけられる。
「編入初日に重い話をして申し訳なかったね。周りの環境はすぐに変えられなくても、学園生活を楽しんでもらえるよう僕も頑張らせてもらうよ」
「うん。陰ながら応援してるね。後……改めて、今日から生徒の一人としてもよろしくお願いします」
「こちらこそ、お友達としてもよろしくお願いしたいな」
「ぜひ」
微笑む白河くんから手を差し出され、わたしたちは握手をかわした。



