「いつか二人で、世界一美味しいお菓子屋さんを開こう」
彼の瞳には、未来をまっすぐに見つめる強い光が宿っていた。
それは、夢を諦めないという強い意志と、私への揺るぎない信頼の光でもあった。
「俺たちが作るお菓子は、きっとたくさんの人を笑顔にできる。しずくの繊細な味覚と、高速作業能力。そして、俺の作るお菓子の安定感があれば、きっとどんな困難も乗り越えていけるはずだ」
湊斗の言葉は、私の心に確かな希望を灯した。
彼と一緒ならきっと、どんな大きな夢でも叶えられる。
私一人では想像もできなかった未来が、目の前に鮮やかに広がっていくような気がした。
そして迎えた、クリスマスの日。
夕方、私は湊斗の家のケーキ屋さんの店内にいた。
外はすっかり暗くなり、ショーウィンドウからは色とりどりのイルミネーションが、雪が降るように店内に降り注いでいた。
お店はすでに閉店し、外からは通りを歩く人々の楽しそうな声が、遠くから聞こえてくる。
「しずく、準備はできたか?」
湊斗が、奥の工房からひょっこりと顔を出す。
彼の顔は、少しだけソワソワしているように見えた。



