最強パティシエは、幼なじみに恋をする



「はい! それでは皆さん、今からクリスマススイーツ教室を始めたいと思います」


担当の先生の声かけで、クリスマススイーツ教室がいよいよスタート。


今日作るお菓子は、クリスマスツリーに見立てた抹茶のカップケーキに、サンタクロースのアイシングクッキー、それから星の形のシュガークッキーだ。


どれも、小さな子たちにも楽しく作れるような、簡単で可愛いレシピだった。


私は子どもたちに優しくお菓子の作り方を教えてあげる。


「こうやって、バターと砂糖を混ぜるんだよ。ふわふわになるまで、優しくね」


ツインテールの女の子の小さな手を取り、一緒に泡立て器を動かす。


甘い香りが部屋いっぱいに広がり、子どもたちの楽しそうな笑い声が響いた……そのときだった。


「あらあら、大変!」


教室の隅で、担当の先生が困った声を出した。


見ると、大きな業務用のオーブンが不調なようで、扉のレールに、たった今焼けたばかりの熱いカップケーキが乗った重い鉄板が、引っかかってしまっていた。


先生や何人かの保護者の方が「よいしょ、よいしょ!」と力を合わせて鉄板を押し込もうとするけれど、ぴくりとも動かない。


オーブンの口に、鉄板が斜めに挟まったまま、どうにもならない様子だった。


「せっかくきれいに焼けたのに、このままじゃ取り出せないわ……」


みんなが諦めかけたそのとき、私はためらうことなく、オーブンへと進み出た。


「あの、先生。私、手伝います!」

「あら、月森さん。無理してくれなくていいのよ?」