「すごいよ、月森さん! まさか一人で動かせるなんて!」
「助かったー! ありがとう!」
たくさんの笑顔と拍手が私に向けられ、心からホッと安堵した。
「重たいものがあったら、また月森さんに頼んでもいい?」
「うん、もちろん」
みんなが喜んでくれるたびに私は、自分の力が誰かの役に立つ喜びを実感した。
いつの間にかこの力は、私を孤立させるものではなく、みんなと私を繋ぐ温かい絆になっていたんだ。
私にとって、みんなが理解してくれるようになったことは、本当に嬉しい変化だった。
でも、この変化は、私の周りにいる大切な人たちの支えなしにはありえなかった。
特に、いつも私を信じ、励まし続けてくれたのは、親友の七海だった。
私の秘密を以前から知っていた彼女は、私がどんなに辛い思いをしてきたか、誰よりも理解してくれていたから。
だから、周りの目が気になって少しでも落ち込んだ様子を見せると、すぐに気づいてくれた。
「しずく! この前見つけた期間限定スイーツのカフェ、今度一緒に行かない?」
「ねえねえ。最近流行ってる、カラフルなレインボークレープって知ってる?」
七海は、とびきりの笑顔で流行のスイーツの話題を持ち出し、私に気分転換をさせてくれた。
彼女の揺るぎない優しさが、いつも私の心を温かく、そして強くしてくれたんだ。
私が学校に通えるようになってから、数日後の昼休み。
教室の窓から差し込む冬の柔らかな光が、床に長い影を落としている。
私がいつものように七海と話していると、机にすっと影が差した。
顔を上げると、そこに立っていたのは、クラスで一番の優等生、白鳥さんだった。



