「だから、しずく。俺と付き合って。ずっと俺の隣に、いて欲しい」
「みなと……っ」
これまでの苦悩が、彼の一言ですべて報われたような気がした。
「わっ、私も……湊斗のことが……」
「うん」
「湊斗のことが、大好き……っ」
震える声で、つっかえつっかえだけど、なんとか私も自分の気持ちを伝えた。
「しずく……ありがとう」
湊斗にお礼を言われた、と思ったら。彼はゆっくりと私を抱き寄せた。
一瞬の驚きのあと、温かい腕に包まれ、私は目を閉じた。
彼の体温がじんわりと伝わり、心の中に温かい光が灯るようだった。
「これからもずっと、俺がしずくのそばにいる。たとえ周りがなんて言おうと、俺は絶対にお前の味方だから」
抱きしめていた腕に、力がこめられる。
「だからもう、何も恐れることはない。しずくはしずくのままでいて良いんだよ」
「湊斗っ」
ついに、こらえていた涙が私の頬を伝い落ちた。
湊斗の優しい言葉と、抱きしめてくれる手の温かさが、幼い頃からずっと私の心に突き刺さったままだった冷たい氷の矢を、すべて溶かし去ってくれたようだった。



