最強パティシエは、幼なじみに恋をする



「しずく、俺はお前のことを他のヤツみたいに、怪物だとか怖いだなんて思ってない」


私は、彼の話に耳を傾ける。


「俺はお前の力は、誰かを助けるためにあると思っている」


湊斗は、真っ直ぐ私の目を見つめてくる。


その瞳は優しくて、とても強い光を放っていた。私の心に、じんわりと温かさが広がる。


「マラソン大会のとき、お前の力は、先生や森谷、そしてたくさんの生徒たちを救った。あの瞬間、俺は改めて、しずくの優しさに気づかされたんだ」


彼の想いが、冷え切っていた私の心を少しずつ溶かしていく。


それはまるで、凍っていた湖の表面に、かすかな波紋が広がるようだった。


「しずくのお菓子が、みんなを笑顔にするように、しずくの力もまた、たくさんの人を笑顔にできる」


湊斗は、ふわっと優しく微笑む。その笑顔は、夏の空のように晴れやかだった。


まさか、湊斗がそんなふうに言ってくれるなんて。


私の心には、彼の言葉がゆっくりと、だけど確かに染み渡っていく。


湊斗の真剣な想いは、まるで私という暗闇に、小さな光を灯してくれたようだった。


「それに……」