「しずく……」
吸い込まれそうなくらい大きな湊斗の瞳が、私を真っ直ぐ見つめてくる。
「お前、最近ずっと学校休んでるけど、大丈夫か?」
彼の優しい声が、ひどく傷ついた私の心に、じんわりと染み渡る。
喉の奥がキュッと締めつけられ、すぐに返事ができない。
沈黙が続くなか、湊斗はゆっくりと手元の箱を私に差し出した。
「これ、しずくのために焼いたんだ」
そっと開けられた箱から顔を覗かせたのは、イチゴやキウイなど色とりどりのフルーツがキラキラと輝くタルトだった。
「うそ、これ……私のために?」
「ああ。お前、フルーツタルト好きだろ?」
まさか湊斗が、わざわざタルトを焼いて、持ってきてくれるなんて……。
彼の思いがけない優しさに、胸の奥がじんわりと温かくなる。
箱からふわりと甘く香ばしい匂いが漂ってきて、思わずゴクリと唾を飲んだ。
「家、入っても良いか?」



