最強パティシエは、幼なじみに恋をする



マラソン大会から1週間。


家から一歩も外に出ることなく、自分の部屋に閉じこもる日々が続いていた。


──ピンポーン。


いつものようにベッドでうずくまっていると、突然インターフォンの音が鳴り響いた。


……宅配便か何かかな?


──ピンポン、ピンポーン!


鳴りやまない、インターフォン。


今、お母さんは買い物に出かけていて、家には私しかいないから。


できれば誰にも会いたくないけど、出なきゃ。


「はい……?」


2階から1階におり、恐る恐る玄関のドアを開けると、そこに立っていたのは……


「えっ、湊斗!?」


なんと、幼なじみの湊斗だった。


学校の制服姿の彼の手には、大きな箱がある。


「……久しぶりだな」


湊斗に声をかけられた瞬間、私の頭の中は真っ白になった。


まさか、湊斗が私の家に……しかも一人で来るなんて、夢にも思わなかったから。


私は慌てて、乱れた髪の毛を手で押さえつけた。


恥ずかしさと、まだ人に会いたくない気持ちがごちゃ混ぜになり、私は思わずドアの陰に隠れようとした。


「逃げるなよ」


すると湊斗に、そっと腕を掴まれてしまった。