最強パティシエは、幼なじみに恋をする



「だってよ、文化祭のお菓子カフェの準備のときだって、月森さんが重いオーブンを運ぶのを、さりげなく手伝ってただろ? んで、あの子がなんだか無理してるみたいに見えたのか、お前、すっげー心配そうに見てたじゃん」


健太の言葉に、俺はドキッとした。


まさか……バレていたのか。俺は思わず、顔が熱くなるのを感じた。


たしかに俺は文化祭のときも、重いオーブンを両手で抱えるしずくの姿を見て、つい手を貸してしまっていた。


あいつが必死に、自身の力がバレないように振る舞うたび、いつも胸が締めつけられる思いだった。


それでも、俺はしずくの秘密を誰にも話すことは絶対になかった。


あいつがその力を隠している理由を、誰よりも理解していたつもりだからだ。


健太は俺の顔を見て、ニヤリと笑う。


「ははっ、図星か。……お前、月森さんのことが、好きなんだろ?」