最強パティシエは、幼なじみに恋をする



こちらを見つめる七海の丸い瞳は大きく見開かれ、驚きと、私を心配する気持ち。


そして、胸を締めつけるような悲しみが浮かんでいるのが、ここからでもはっきりと見てとれた。


私は、知らず知らずのうちに、自分のひみつが全ての人に知られてしまった現実に、全身から力が抜けていくのを感じた。


膝がガクガク震え出し、指先まで冷たくなっていく。


幼い頃、力を持て余したときに言われた『怪物みたい』という言葉が、何度も頭の中でぐるぐると繰り返される。


まるで重い鎖に繋がれたみたいに、体が鉛みたいに動かない。


「やっぱりみんな、私のこと……怪物だって、思ってるの……?」


声が震えた。興味と、どこか恐れを含んだ視線が、無数の針になって肌にチクチクと突き刺さる。


今すぐにでもその場にへたり込んで、全てから逃げ出したかった。けれど、足は地面に縫いつけられたみたいに、一歩も動かせない。


「しずく!!」