「七海、どうしたの?」
「あのね、駅前に新しくできたカフェのケーキが、すっごく映えるらしいの。良かったら、今度一緒に行かない?」
「へえ、カフェかあ」
「わたしも、まだ行ったことはないんだけど。SNSで見た感じだと、とろけるパンケーキとか、フルーツたっぷりのタルトがめちゃくちゃ人気で、連日行列なんだって!」
七海は目をキラキラさせ、興奮した様子で話し続ける。
「ねえ、見てよこれ!」
七海がスマホを取り出して、美味しそうなスイーツの画像を次々と私に見せてくれる。
「うわあ、美味しそう」
思わず声が漏れた。
とろけるパンケーキの隣には、色とりどりの季節のフルーツがこれでもかというほどのったタルト。
どのスイーツも、見ているだけで幸せな気持ちになる。
「七海は、本当にスイーツの情報に詳しいね」
私が知らない流行りのスイーツやカフェのことを、七海はいつもいち早くキャッチして、教えてくれるから。
パティシエを目指す私にとっては、すごく頼もしい存在なんだ。
七海と校門の前で別れた私は、ひとりでいつもの帰り道を歩く。
人通りの少ない住宅街を抜けて大通りにさしかかると、私にとって特別な場所が見えてきた。



