最強パティシエは、幼なじみに恋をする



迫りくる危険をはっきり理解するよりも早く、私の体は勝手に動き出していた。


みんなが、危ない! そう思うと、恐ろしいなんて考える暇もなく、体が勝手に動いた。


次の瞬間、私は地面を強く踏みしめて、信じられないほどの速さでゴールゲートへと走り出した。


そして、私の中から、今まで感じたことがないほどの力がどっと溢れ出す。


──ドォォン!!!


まるで地面が揺れるような、想像もできない重い音が、校庭全体に響き渡った。


大きな何かが地面に叩きつけられたみたいな衝撃が、足元からズンッと伝わってくる。


「わあああ!」


喉を引き裂くような、私の叫び声が響く。


それは、秘密の力を出すときに出る、私だけの声だった。私が伸ばした両腕が、傾きかけたゴールゲートの大きな柱に、ドンッとぶつかったのだ。


──ギシリ、バキバキッ!!


木材が悲鳴を上げるような音が次々に響いて、今にも倒れかかりそうだったゲートは、まるで大きな何かに掴まれたかのように、倒れる寸前でピタリと止まった。


その衝撃は、地面にもはっきりと現れていた。


私の足元の土は、まるで大きなハンマーで叩かれたみたいに深くへこみ、蜘蛛の巣みたいな薄いヒビが広がっている。


その光景は、もう誰の目にも隠せないほど、全校生徒の目に焼きついてしまった。


静寂。辺りは、水を打ったみたいにシーンと静まり返る。


重たい、息苦しい空気が私を包み込み、ハッと我に返った。