最強パティシエは、幼なじみに恋をする



突然、ゴオオオッ! と、嵐のような強い風がグラウンドを吹き抜けた。


「きゃあっ」

「うわっ!」


生徒たちの驚きの声が重なる。私も思わず目を細めた。


そして、大変なことが起きていることに気づいた。


ゴール地点に立っていた、アーチ型の大きなゴールゲートが、強い風にあおられて、ぐらぐらと大きく傾き始めたのだ。


まるで、地面に根が生えていない、ただの大きな木の棒みたいに、ゆらゆら揺れている。


ギシギシ、バキバキッ!


木材が、悲鳴を上げる嫌な音が響き渡る。


ゲートの真下には、最後の力を振り絞ってゴールを目指して走る生徒たちの姿が見えた。


それから、ゴールラインでみんなを誘導して、タイムを計っている先生たちもいる。


私や七海、そして、少し離れた場所には担任の先生の姿も見えた。


もしあのゲートが倒れたら、みんなに直撃してしまう。


そしたら、たくさんの人が怪我をして、大変なことに……。


「危ない!」

「キャー、先生!」


周りから悲鳴みたいな叫び声が上がり、私の心臓は一気に跳ね上がった。


頭の中は真っ白になり、何も考えられなくなった。だけど……。


「私、行かなきゃ」

「えっ、ちょっと、しずく!?」