最強パティシエは、幼なじみに恋をする



「はぁ……たぶん、今年もビリかなぁ」


そんな私の情けないつぶやきを聞いた七海が、私の顔をのぞき込むようにして、明るく笑った。


「しずくなら大丈夫だって! わたしと一緒に、ゆっくり走ればいいじゃない。ほら、去年のマラソン大会だって、二人で無事にゴールできたんだから!」


七海の言葉は、いつも私の心を温かくしてくれる。


去年のことを思い出すと、確かに七海がずっと「もう少しだよ!」「頑張れ、しずく!」って、隣で声をかけ続けてくれたおかげで、なんとかゴールまでたどり着けたんだった。


「でもね、今年はもう少し頑張りたいんだ。クラスの順位も上げたいし……」


私がそう言うと、七海は少し驚いた顔をしたけれど、すぐにニッコリと笑ってくれた。


「そっか。じゃあ、わたしもしずくと一緒に頑張るよ! 特訓しよう、特訓!」


七海の言葉に、私の心には小さな希望が灯った。


今年の学校のマラソン大会は、ただ一人で走るだけじゃない。クラス対抗なんだ。


1位だったら数字は1、10位だったら数字は10というように、クラス全員の順位を合計して、その数字が一番小さいクラスが優勝するんだって。


だから、一人ひとりが最後まで諦めずに走って、ひとつでも上の順位になることが、すごく大事になる。


私も、少しでもクラスの役に立ちたかった。


だから、一生懸命頑張りたい。