最強パティシエは、幼なじみに恋をする



少し開いていた部室のドアの隙間から中を覗くと、先ほどの声の主は湊斗だった。


「特に、あの選手の動き出しのタイミングで、一気にゴールに迫るパスを出すんだ!」


普段は口数の少ない彼からは想像できないほどの熱量で、サッカー部員相手に熱弁している。


湊斗の声は、どんどんヒートアップしていく。


「いいか? 相手が守りを固める前に、隙を突くんだ。そのためには、常に味方の動きを見て、次の展開を予測しろ。パス一つで、試合の流れは大きく変わるんだからな」


私は、初めて見る湊斗の意外な一面に、思わずフフッと笑ってしまった。


物静かな湊斗が、サッカーのことになると、あんなにも熱くなるなんて。


七海も、くすくす笑いながら私の肩を叩く。


「湊斗くんって、サッカーのことになると止まらないんだね。普段はあんなにクールなのに、試合の作戦の話になると、まるでサッカー解説者みたいになっちゃうなんて」


七海の言葉に、私は深く頷いた。


彼の意外な熱量と、普段の彼からは想像できないギャップに、私はますます惹かれていくのを感じた。


湊斗が、私の一番好きな人。


そう確信した瞬間、私の心が温かい光で満たされるのを感じた。


これからの毎日が、少しだけ輝きを増したような気がした。