この瞬間、私の心に、はっきりとした答えが生まれた。
ああ、そうか。私……湊斗のことが好きなんだ。
湊斗への「好き」という気持ちが、幼なじみ以上の、甘くて、でも少し苦しい、特別な感情であることを、このとき私ははっきりと自覚した。
「しずく、大丈夫?」
隣にいた七海が、私の異変に気づいたように、心配そうな顔つきで声をかけてくれた。
だけど、私は何も言えず、ただ、白鳥さんと湊斗の姿を目で追うことしかできなかった。
◇
別の日の放課後。
私は、七海と一緒に昇降口へと向かって廊下を歩いていた。
部活動を終えた生徒たちが、楽しそうに笑いながら行き交っている。
そのとき、ふと、サッカー部の部室から、何やら熱のこもった声が聞こえてきた。
「今日のパス回しは悪くないけど、もっと前に早くボールを送れば、相手の守りを崩せるはずだ」
聞き慣れた声に、私たちは思わず足を止めた。



