文化祭は大盛況に終わり、私と湊斗のお菓子は「美味しくて可愛い!」と大好評だった。
クラスのみんなも疲れ切っていたけれど、満足そうな笑顔で溢れている。
「早く打ち上げ行こうぜ!」
「みんなで盛り上がろう!」
クラスメイトたちが騒ぎ始め、打ち上げの準備が始まるなか、私は静かに残りの片づけをしていた。
湊斗も、私の隣で黙々と作業を進めている。
ふと、湊斗がじっとショーケースのケーキを見つめているのに気づいた。
彼の横顔が少し赤くなっているように見えるのは、気のせいだろうか?
「……しずくのお菓子は、みんなを笑顔にする力がある」
普段の彼からは想像できないほど、ストレートな言葉が、静かな家庭科室に響いた。
湊斗の言葉が何よりも嬉しくて、私の心は温かいもので満たされた。
打ち上げの準備でクラスメイトが騒ぐなか、私と湊斗が二人で静かに片づけをしていると。
湊斗が、ショーケースの隅に残っていたマドレーヌをひとつ取り出した。
「しずくの作ったこれ、本当に美味しかった」
彼はそう呟くと、照れたように視線を少しだけ逸らした。
その控えめながらも確かな称賛に、私の心は温かさに包まれた。
湊斗が私の作ったお菓子を本当に美味しいと思ってくれていることが、何よりも嬉しかった。
この優しい時間が、ずっと続けばいいのに……。
私は、密かにそう願った。



