私は、注文が入るたび、ショーケースからお菓子を取ったり、ドリンクを作ったり、キッチンとホールを行ったり来たり。
時々、オーブンの前で、大量のメレンゲを泡立てる作業も担当した。
ボウルに、山盛りの卵白と砂糖。
普通の泡立て器では泡立てるのに一苦労する量だけど、私が泡立て器を手に取ると、腕がかすむほどの速さでメレンゲが泡立っていく。
まるで綿あめでも作っているみたいに、あっという間にフワフワの山ができた。
「わあ、すごい!」
その様子をそばで見ていた七海が、目を丸くして感嘆の声を漏らした。
「しずく、天才!」
「えへへ、たまたまコツを掴んだだけだよ!」
私は慌ててごまかしながら、泡立て器を置き、次の作業へと移った。
湊斗はそんな私を、いつもさりげなくサポートしてくれた。
材料が少なくなれば、さっと準備してくれたり、熱いオーブンの扉を開けてくれたり。
彼の細やかな気遣いが、いつも私の心を温かくする。



