最強パティシエは、幼なじみに恋をする



夏の暑さがどこかへ去り、窓からは少しひんやりとした秋の風が吹き込むようになった。


新しい季節へと移りゆく学校は、早くも活気に満ちていた。


その理由は、みんなが楽しみにしている、文化祭の準備が始まったからだ。


私たちのクラスでは、話し合いの結果、「お菓子カフェ」をすることに決まった。


クラスをカフェのように飾りつけて、手作りのお菓子や飲み物をお客さんに提供するんだ。


この日のホームルームは、文化祭の出し物の話で持ちきりだった。


「それなら、いま流行りのとろけるチーズケーキとか、SNSでバズってるマカロンタワーみたいなのがいいんじゃない?」


七海の意見にみんなが耳を傾けるなか、彼女は目を輝かせながら、黒板に次から次へとアイデアを書き出していく。


「あとは、写真映えするドリンクも絶対必要だと思う!」


さすが七海。流行りのスイーツやカフェ巡りが大好きなだけあって、本当に頼りになる。


「ねえ。お菓子カフェの中心メンバーは、月森さんと篠宮くんがいいんじゃない?」


突然、クラスの女の子に名前を出された私は、ビクッと肩が跳ねた。


わ、私が湊斗と、カフェの中心メンバーに!?


心臓がドクンと大きく鳴り響く。


湊斗のほうをちらりと見ると、彼も少し驚いたような顔をしていた。