最強パティシエは、幼なじみに恋をする



そんな日々の中で、私にとって特に充実しているのが、家庭科の調理実習でのお菓子作り。


広い調理台を囲んで、みんなで和気あいあいと作業を進める。


この授業では、私のもう一つの「個性」である、高速作業能力が大活躍。


例えば、大量の生地をこねるとき。


他の子が腕をプルプルさせながら時間と格闘している横で、私は誰よりも素早い手つきで、あっという間に滑らかな生地を完成させる。


そして、カップケーキの繊細な飾りつけや、アイシングクッキーの細かな模様も、集中するとまるで時間が止まったかのように、驚くほどの速さで完璧に作り上げてしまう。


私の手元を覗き込んでは、みんな目を丸くして驚いている。


「しずく、その手際の良さ、相変わらずプロ級だね!」


七海が興奮した様子で、私の隣から話しかけてきた。


高校生になっても、彼女のスイーツへの情熱は変わらない。


いつだって流行のスイーツ情報に詳しく、新しいカフェや限定品の話になると、目を輝かせながら語り出す。


「ていうか七海、そのケーキすごいね。それ、どうやって作るんだろう?」


七海が手帳に書き留めていたのは、海外の有名パティシエが先日発表したばかりの、最新のケーキのデザイン画だった。


見たこともないような複雑な構造と、宝石のように輝くデコレーションに、私は思わず息をのんだ。


二人で身を乗り出して七海の手帳を覗き込んでいると、そこに白鳥さんが通りかかった。