自宅へ帰りいつも通りに夕飯を作り終え休憩がてらテレビのリモコンを取った時玄関のチャイムが鳴った。ドアを開けると彼の弟が申し訳なさそうに立っていた。「兄からの手紙です」と差し出されたのはあの時彼の母親が握っていた白い封筒。さっぱり意味が分からなかったが受け取り宛名を見ると確かに私の名前がそこにあった。どういう事?という目線を送ると弟は「同姓同名の方へのものだと思っていた」と言いづらそうに語った。彼らは無意識に私のような地味で特徴もない女が彼の彼女ではないと思ったのだろう。仕方のないことだ。
『真美へ
オレはお前のことが嫌いだ。あの時声をかけたのはこいつチョロそうだなと思ったから。意外にガードが固くてガッカリしたの今でも覚えてる。
あの時電話したのも単なる気まぐれ。ちょっと弱ってるの見せたらワンチャンイケるかなって思ったけど全然ダメでまじイラついたわ。
とにかくオレはお前のことが大嫌いだ。』
嫌い嫌い嫌いと何度も綴られた彼からの手紙。でも私は思わずふふと笑ってしまった。書いては消してを何度も繰り返した跡。きっと私を傷つけて綺麗さっぱりに自分を忘れてほしかったに違いない。根拠はその跡しかないけど分かる。
『真美へ
オレはお前のことが嫌いだ。あの時声をかけたのはこいつチョロそうだなと思ったから。意外にガードが固くてガッカリしたの今でも覚えてる。
あの時電話したのも単なる気まぐれ。ちょっと弱ってるの見せたらワンチャンイケるかなって思ったけど全然ダメでまじイラついたわ。
とにかくオレはお前のことが大嫌いだ。』
嫌い嫌い嫌いと何度も綴られた彼からの手紙。でも私は思わずふふと笑ってしまった。書いては消してを何度も繰り返した跡。きっと私を傷つけて綺麗さっぱりに自分を忘れてほしかったに違いない。根拠はその跡しかないけど分かる。



