ってなわけで8時を過ぎると俺と麻理はお風呂へ行くのですよ。 実家のお風呂は脱衣所も有るから安心安心。
「見たいでしょう?」 そう言いながら麻理が服を脱ぎ始めました。
結婚当初は「見ないでね。」って言ってたのに、50も過ぎたらこうなるのかなあ? うーーーん、堪らん。
それでまあ脱衣所で麻理と絡んでしまいましたわ。 しばらくやってなかったもんだから。
汗だくになって浴室へ、、、。 「あなたも若いわねえ。」
火照った顔で麻理が俺の顔を見る。 「お前だって、、、。」
「あなたが激しいから萌えたのよ。」 「お前が可愛いから萌えたんだよ。」
「もう一人産もうかな。」 「産んでもいいよ。」
「残念ねえ。 終わっちゃったのよ。」 「それは残念ですなあ。」
「二人目 欲しかったわね。」 「そうだなあ。 次に生まれたらそうするか。」
互いの体を洗いながら遠い遠い未来の話をしてます。 平和ですねえ。
「そう言えばお姉さんは?」 「やつはもうおばあさんだからなあ。」
「そっか。 そうだったわね。 さらに残念だわ。」 「確かになあ。」
いつものように走り回っている姉ちゃんを見ながら二人で溜息を吐くのでした。 チャンチャン。
さあ金曜日。 俺も麻理も仕事に行きますよーーーーー。
「じゃあ気を付けてね。 あ、な、た。」 自転車に飛び乗った俺を優しく見送ってから麻理はバスに乗ります。 毎日毎日ご苦労さんです。
スマホショップは移転したけど店員はほぼ変わらないらしい。 何人か入れ替わったけど、、、。
麻理は店長代理なんだそうで、、、。 姉ちゃんが逃げ出さないようにいつもいつも監視してました。
俺はというとこれまた何も無い交番でお人形さんを相手に遊んで、、、じゃなくて任務に付いてます。 一応は。
無線係も何人か交代して今は俺よりも遥かに遥かに若い警察官がやってます。 「中野通交番 どうぞ。」
「はいはい、こちら中野通交番です。」 「受信明瞭。 問題無し。」
「了解しました。」 「ではどうぞ。」
いつものように朝が来て、いつものように昼になり、いつものように日が暮れて、いつものように夜が来る。 姉ちゃんを追い回すことも無く姉ちゃんに振り回されることも無い。
親父に冷や汗を掻かされることも無く、母ちゃんに扱き使われることも無い。 なんだか寂しい今日この頃。
姉ちゃんは和之と楽しくやってるし、麻理はそれを嬉しそうに見詰めている。
何だか平和過ぎて何だか物足りない今日この頃であります。 何か事件は起きないかなあ?
ボヤッとした顔で夕方を迎えてママチャリに乗ってスーパーへ。 今日も麻理から頼まれた買い物をしてまーす。
今は6月。 もうすぐ夏至ですわ。 夏に至る時なのね。
昼が一番長い日。 だからかなあ、眠くて眠くて。
家に入って荷物を置いて台所へ、、、。 今夜は何を食べようかなあ?
ご飯が炊き上がって煮物が出来上がる頃、姉ちゃんと麻理が帰ってきます。 和之はまだまだのようですね。
「お父さん 今夜もありがとねえ。」 鍋の蓋を取って麻理が嬉しそうに言いました。
「姉ちゃんは?」 「ああ、お姉さんなら二階に居ますよ。」
「何で?」 「忙しかったから疲れたんだって。 後で食べるからって。」
「そっか。 あれだけ走り回ってた姉ちゃんもダウンしたか。」 「そろそろ引退かもね。」
「そうだねえ。 俺だってどうなるか分からないし。」 「あなたはまだまだ大丈夫よ。 私が居るんだから。」
「そうは言うけど俺も60だよ。」 「私だってもうすぐ60ですよ。」
「そうだなあ。 お互いに60だなあ。」 まだまだ若く見える麻理もお年を気にしている様子。
最近では「腰が痛い。」だの「肩が凝った。」だのと文句を仰いましてなあ。 年には逆らえんなあ。
夕食を済ませた後、テレビの前に麻理が座ったのでその肩をコリコリと揉んでみた。 「何か企んでるでしょう?」
「何も無いよ。」 「嘘吐け。 胸を狙ってるでしょう?」
「狙ってないってば。」 「そうかなあ? 狙ってんじゃないの?」
「何でよ?」 「ここ何日か触らせてないから。」
「そうだなあ。 って何を言わせるんだよ?」 「引っかかった。 やっぱり変態だなあ。」
「男はそれでいいの。」 「へえ、触らせてもらえないからいじけてるんでしょう?」
「ちゃうってばよ。」 麻理の頭を小突いてみる。
「やったなあ! カラス!」 「何で俺がカラスなのよ?」
「あなたは何でもかんでも私のせいにするでしょう?」 「したこと有りませんけど。」
「そうかなあ? そうかなあ?」 麻理が俺に顔を寄せてくる。
「ワワワワワ、何してんだよ?」 「驚いた?」
「驚くも何も、、、。」 「じゃあもっと優しく揉んでね。」
「あいあい。」 結局は丸め込まれちゃうんですよ 俺。
情けないなあ。
麻理の肩を揉んでいるとドスンという音がしました。 「今のは何?」
「たぶん、姉ちゃんがベッドから転げ落ちたんだよ。」 「あの人もそそっかしいからなあ。」
二人で話していると「いててて、、、、。」と半分泣きそうな姉ちゃんが下りてきましたです。
「おはよう。 派手にやったなあ。」 「あんたの夢を見てたら落ちたのよ。 責任取ってよね。」
「何で夢の責任まで取るんだよ?」 「何でもいいから責任を取ってよね。」
「お姉さん ご飯食べる?」 「うん。 お腹空いた。」
「良太さん 分かってるわよね?」 麻理は澄ました顔で俺にしゃもじを渡した。
それから耳打ちするんです。 「お風呂で待ってるからご飯を入れてあげてね。」
「はいはい どうぞ。」 ご飯を盛って姉ちゃんに渡しましょう。
「ご苦労。」 「何だよ 偉そうに。」
「私は偉いのよ。」 「何処が?」
「ぜーーーんぶ。」 「あっそう。」
「冷たいなあ。」 「麻理が待ってるから。」
「いいんだもーーん。 あんたなんか居なくったって。」 「また始まったわ。」
姉ちゃんのボヤキを聞きながら脱衣所へ、、、。 ドアを開けると素っ裸の麻理が立っていましたです。
「ワーオ!」 「嬉しいでしょう?」
「そうだねえ。」 「素直な人。」
「人間なんて素直が一番だ。」 「そうよねえ。 そう思うわ。 あなたを見てると。」
一日一日を大切にしたいなあ。 60を過ぎると特にそう思うのですよ。
現代人は何を考えてるか分からないってよく言われる。 本当にそうだろうか?
現代人からすれば昭和の人たちは何を考えてるか分からないだろう。
明治の人たちからすれば今の俺たちは何を考えてるか分からないだろうな。 でもそれってさあ、分かろうとしないだけなんじゃないのかな?
交番から周りを見ているとそんな気がするんだよ。 商店街は商店街のことしか考えない。
老人会は老人会のことしか考えない。 役所は役所のことしか考えない。
だからこうして行き詰ったんじゃないのかなあ? ねえ。
天井を見詰めながら湯に浸かってます。 気持ちいいもんだな。
麻理ものんびりと湯に浸かってます。 互いに話すことも有りません。
結婚したての頃はマイホームがどうとか子供がどうとか話してたのにね。
マイホームは持たなくて親父が建てた実家に転がり込んでるし子供は和之だけ。
スマホショップの店員と田舎交番の冴えない警察官が結ばれてここまでやってきた。
それだけでいいんじゃないかなあ? 目立ちたいとも思わない。
食えて遊べてやれればいいじゃない。 なあ、麻理。
「やるってこれでしょう?」 親指と人差し指で輪っかを作って人差し指を出し入れしながら麻理が笑う。
思えば何回麻理を抱いただろう? 必死だったよな。
麻理が妊娠した時、すごく嬉しそうだったのを今も覚えている。
「ねえねえ聞いてよ。 妊娠しちゃった。」 「おめでとう。 良かったね。」
「これであなたの子供を産めるわ。」 麻理はお腹をさすりながら言うのですよ。
「元気に生まれてきてね。 でもお父さんみたいにはならないでね。」 「どういう意味だよ?」
「だって田舎のこんな小さな交番で紐付けされるなんて可哀そうだから。」 「そりゃそうかもしれないけど、、、。」
「でもいいのよ。 ちゃんと働いてくれてるから。」 「そりゃなあ。」
思い出したように浴槽から出ると麻理はそのまま脱衣所に行ってしまいました。 じゃあ俺も、、、。
サッシを開けると麻理が飛び込んできた。 「どうしたんだよ?」
「若い頃みたいに抱いてほしいの。」 「そうか。」
「いっつも抱いてるじゃん。」なんて言おうものなら「雰囲気壊す人よねえ。」って噴火するから黙っとこうね。
そんなわけで今夜も俺たち夫婦は毎度の営みをするのでありまーす。 宣伝するなっての。
「見たいでしょう?」 そう言いながら麻理が服を脱ぎ始めました。
結婚当初は「見ないでね。」って言ってたのに、50も過ぎたらこうなるのかなあ? うーーーん、堪らん。
それでまあ脱衣所で麻理と絡んでしまいましたわ。 しばらくやってなかったもんだから。
汗だくになって浴室へ、、、。 「あなたも若いわねえ。」
火照った顔で麻理が俺の顔を見る。 「お前だって、、、。」
「あなたが激しいから萌えたのよ。」 「お前が可愛いから萌えたんだよ。」
「もう一人産もうかな。」 「産んでもいいよ。」
「残念ねえ。 終わっちゃったのよ。」 「それは残念ですなあ。」
「二人目 欲しかったわね。」 「そうだなあ。 次に生まれたらそうするか。」
互いの体を洗いながら遠い遠い未来の話をしてます。 平和ですねえ。
「そう言えばお姉さんは?」 「やつはもうおばあさんだからなあ。」
「そっか。 そうだったわね。 さらに残念だわ。」 「確かになあ。」
いつものように走り回っている姉ちゃんを見ながら二人で溜息を吐くのでした。 チャンチャン。
さあ金曜日。 俺も麻理も仕事に行きますよーーーーー。
「じゃあ気を付けてね。 あ、な、た。」 自転車に飛び乗った俺を優しく見送ってから麻理はバスに乗ります。 毎日毎日ご苦労さんです。
スマホショップは移転したけど店員はほぼ変わらないらしい。 何人か入れ替わったけど、、、。
麻理は店長代理なんだそうで、、、。 姉ちゃんが逃げ出さないようにいつもいつも監視してました。
俺はというとこれまた何も無い交番でお人形さんを相手に遊んで、、、じゃなくて任務に付いてます。 一応は。
無線係も何人か交代して今は俺よりも遥かに遥かに若い警察官がやってます。 「中野通交番 どうぞ。」
「はいはい、こちら中野通交番です。」 「受信明瞭。 問題無し。」
「了解しました。」 「ではどうぞ。」
いつものように朝が来て、いつものように昼になり、いつものように日が暮れて、いつものように夜が来る。 姉ちゃんを追い回すことも無く姉ちゃんに振り回されることも無い。
親父に冷や汗を掻かされることも無く、母ちゃんに扱き使われることも無い。 なんだか寂しい今日この頃。
姉ちゃんは和之と楽しくやってるし、麻理はそれを嬉しそうに見詰めている。
何だか平和過ぎて何だか物足りない今日この頃であります。 何か事件は起きないかなあ?
ボヤッとした顔で夕方を迎えてママチャリに乗ってスーパーへ。 今日も麻理から頼まれた買い物をしてまーす。
今は6月。 もうすぐ夏至ですわ。 夏に至る時なのね。
昼が一番長い日。 だからかなあ、眠くて眠くて。
家に入って荷物を置いて台所へ、、、。 今夜は何を食べようかなあ?
ご飯が炊き上がって煮物が出来上がる頃、姉ちゃんと麻理が帰ってきます。 和之はまだまだのようですね。
「お父さん 今夜もありがとねえ。」 鍋の蓋を取って麻理が嬉しそうに言いました。
「姉ちゃんは?」 「ああ、お姉さんなら二階に居ますよ。」
「何で?」 「忙しかったから疲れたんだって。 後で食べるからって。」
「そっか。 あれだけ走り回ってた姉ちゃんもダウンしたか。」 「そろそろ引退かもね。」
「そうだねえ。 俺だってどうなるか分からないし。」 「あなたはまだまだ大丈夫よ。 私が居るんだから。」
「そうは言うけど俺も60だよ。」 「私だってもうすぐ60ですよ。」
「そうだなあ。 お互いに60だなあ。」 まだまだ若く見える麻理もお年を気にしている様子。
最近では「腰が痛い。」だの「肩が凝った。」だのと文句を仰いましてなあ。 年には逆らえんなあ。
夕食を済ませた後、テレビの前に麻理が座ったのでその肩をコリコリと揉んでみた。 「何か企んでるでしょう?」
「何も無いよ。」 「嘘吐け。 胸を狙ってるでしょう?」
「狙ってないってば。」 「そうかなあ? 狙ってんじゃないの?」
「何でよ?」 「ここ何日か触らせてないから。」
「そうだなあ。 って何を言わせるんだよ?」 「引っかかった。 やっぱり変態だなあ。」
「男はそれでいいの。」 「へえ、触らせてもらえないからいじけてるんでしょう?」
「ちゃうってばよ。」 麻理の頭を小突いてみる。
「やったなあ! カラス!」 「何で俺がカラスなのよ?」
「あなたは何でもかんでも私のせいにするでしょう?」 「したこと有りませんけど。」
「そうかなあ? そうかなあ?」 麻理が俺に顔を寄せてくる。
「ワワワワワ、何してんだよ?」 「驚いた?」
「驚くも何も、、、。」 「じゃあもっと優しく揉んでね。」
「あいあい。」 結局は丸め込まれちゃうんですよ 俺。
情けないなあ。
麻理の肩を揉んでいるとドスンという音がしました。 「今のは何?」
「たぶん、姉ちゃんがベッドから転げ落ちたんだよ。」 「あの人もそそっかしいからなあ。」
二人で話していると「いててて、、、、。」と半分泣きそうな姉ちゃんが下りてきましたです。
「おはよう。 派手にやったなあ。」 「あんたの夢を見てたら落ちたのよ。 責任取ってよね。」
「何で夢の責任まで取るんだよ?」 「何でもいいから責任を取ってよね。」
「お姉さん ご飯食べる?」 「うん。 お腹空いた。」
「良太さん 分かってるわよね?」 麻理は澄ました顔で俺にしゃもじを渡した。
それから耳打ちするんです。 「お風呂で待ってるからご飯を入れてあげてね。」
「はいはい どうぞ。」 ご飯を盛って姉ちゃんに渡しましょう。
「ご苦労。」 「何だよ 偉そうに。」
「私は偉いのよ。」 「何処が?」
「ぜーーーんぶ。」 「あっそう。」
「冷たいなあ。」 「麻理が待ってるから。」
「いいんだもーーん。 あんたなんか居なくったって。」 「また始まったわ。」
姉ちゃんのボヤキを聞きながら脱衣所へ、、、。 ドアを開けると素っ裸の麻理が立っていましたです。
「ワーオ!」 「嬉しいでしょう?」
「そうだねえ。」 「素直な人。」
「人間なんて素直が一番だ。」 「そうよねえ。 そう思うわ。 あなたを見てると。」
一日一日を大切にしたいなあ。 60を過ぎると特にそう思うのですよ。
現代人は何を考えてるか分からないってよく言われる。 本当にそうだろうか?
現代人からすれば昭和の人たちは何を考えてるか分からないだろう。
明治の人たちからすれば今の俺たちは何を考えてるか分からないだろうな。 でもそれってさあ、分かろうとしないだけなんじゃないのかな?
交番から周りを見ているとそんな気がするんだよ。 商店街は商店街のことしか考えない。
老人会は老人会のことしか考えない。 役所は役所のことしか考えない。
だからこうして行き詰ったんじゃないのかなあ? ねえ。
天井を見詰めながら湯に浸かってます。 気持ちいいもんだな。
麻理ものんびりと湯に浸かってます。 互いに話すことも有りません。
結婚したての頃はマイホームがどうとか子供がどうとか話してたのにね。
マイホームは持たなくて親父が建てた実家に転がり込んでるし子供は和之だけ。
スマホショップの店員と田舎交番の冴えない警察官が結ばれてここまでやってきた。
それだけでいいんじゃないかなあ? 目立ちたいとも思わない。
食えて遊べてやれればいいじゃない。 なあ、麻理。
「やるってこれでしょう?」 親指と人差し指で輪っかを作って人差し指を出し入れしながら麻理が笑う。
思えば何回麻理を抱いただろう? 必死だったよな。
麻理が妊娠した時、すごく嬉しそうだったのを今も覚えている。
「ねえねえ聞いてよ。 妊娠しちゃった。」 「おめでとう。 良かったね。」
「これであなたの子供を産めるわ。」 麻理はお腹をさすりながら言うのですよ。
「元気に生まれてきてね。 でもお父さんみたいにはならないでね。」 「どういう意味だよ?」
「だって田舎のこんな小さな交番で紐付けされるなんて可哀そうだから。」 「そりゃそうかもしれないけど、、、。」
「でもいいのよ。 ちゃんと働いてくれてるから。」 「そりゃなあ。」
思い出したように浴槽から出ると麻理はそのまま脱衣所に行ってしまいました。 じゃあ俺も、、、。
サッシを開けると麻理が飛び込んできた。 「どうしたんだよ?」
「若い頃みたいに抱いてほしいの。」 「そうか。」
「いっつも抱いてるじゃん。」なんて言おうものなら「雰囲気壊す人よねえ。」って噴火するから黙っとこうね。
そんなわけで今夜も俺たち夫婦は毎度の営みをするのでありまーす。 宣伝するなっての。



