はいはい、こちら中野通交番です。 ただいま熱愛中。

 メロンおばさんもやらかしてくれたよなあ。 アホ丸出しの農水相を続投させた上にお喋りおばさんを停められなかった。
んでもって消費税減税は始めた一瞬に頭を掠めただけ。 結局は失敗して見るも無惨に叩かれまくった。
そりゃそうだよ。 市場経済を無視して物価を下げようとしたんだからね。 やる前からいろいろと言われてた。
 まあね市場経済を無視して減税で物価を下げようなんてアポロ的発想はやめたほうがいいなあ。 何も分かってない人なら「いいことをやってるなあ。」って感動するんだろうけど、、、。
 だって考えてよ。 減税したのに物価が上がったら「何これ?」ってなるっしょ。
 実際に雨やら旱魃やらで不作になったらそれだけで物価は上がるんだよ。 供給が止まるんだから。
ドンドンガンガン供給出来れば下がるだろうけどそれほどの余裕も無いわけで、、、。 おそらくさあ、あの農水大臣なら「俺の言うことを聞け‼ もっと増やせ! お前らが食う分も市場に吐き出せ!」って言い出しかねないもんなあ。
そう思っていたらほんとに言っちゃったからメロンおばさんもメンツ丸潰れだったよな。 記者会見しながら土下座したんだから。
 でもさあ税金を無くして物価を下げようなんて誰が考え出したんだろうねえ? もしかしてニホンザルのピー君かなあ?
 ってなことをブツブツ言いながら日は暮れるのですよ。 今日もなーーーーーんにも無かったなあ。
もうすぐ10月ですわ。 そしたらこの交番もお役御免になるのねえ。
ドアを閉めて鍵を掛けて札を下げておく。 「ただいま就寝中です。」
 家に帰ってくると麻理が寂しそうな顔で待ってましたわ。 「どうしたんだよ?」
「いやね、ショップで「そろそろ退職しないか?」って言われちゃったのよ。」 「退職? お前が?」
「そうなのよ。 「もう30年も働いたんだからそろそろいいだろう?」ってね。」 「そうか。」
「それでさあ店長としては明日にでも退職会をやりたいらしいのよ。」 「退職会? 何だそりゃ?」
「お祝いするんだって。」 「お祝いねえ。」
 俺はそう言いながら麻理のお胸を見ております。 「お父さんはこれだけ有ればいいんでしょう? 私が居たらうるさいもんねえ。」
「そんなことねえよ。 30年もこうしてくっ付きやがったんだから。」 「やっぱり嫌だったのね? くっ付きやがったって。」
「ごめんごめん。 くっ付かせてもらったんだから。」 「そうよねえ。 長かったわよねえ。 もうすぐ終わるから待っててね。」
 麻理はそう言うと台所へ向かった。 今夜もスカートがヒラヒラしてまーす。
(相変わらず堪んねえ女だなあ。) そう思いながら後ろに立ってみると、、、。
 「キャーーーーー‼ お化けが居るーーーーーーー‼」って包丁を握ったまま振り向いた。
「あぶねえよ お前。」 「だって脅かすんだもん。 お父さんが悪いのよ。」
「また俺?」 「そう。 無駄なことは考えなくていいから座ってて。」
 そう言うから麻理の後ろに座ってみた。 すると今度は足を曲げてきたから顔面を直撃してしまった。
「いてえなあ。 何するんだよ?」 「そんな所に居たの? 邪魔よ邪魔邪魔。」
「ダメよーーー ダメダメ。」 「古過ぎるんだってば。」
 そんなわけで俺たちは今夜もじゃれ合っているわけですよ。 「誰がじゃれ合ってるんだって?」
「ぼくちゃんと飼い主。」 「誰が飼い主なのよ?」
「麻理ちゃんでーーーーす。。」 「そういう時だけ可愛い顔するのねえ。 ご飯抜きね。」
「何だよ? そりゃねえよ。」 「じゃあお姉さんにでも可愛がってもらったら?」
「それは嫌じゃーーーーい。」 「こういう時だけかわい子ぶってもダメなんだってば。 お父さん。」
「お前だってそうやないかーーーい。」 「もういいわ。 知らない。」
 麻理はそう言うと包丁も投げ出して家を飛び出していっちゃった。 「まったくもう、、、、、。」

 「あーーーーーら、麻理さんに捨てられたのねえ?」 「何だよ?」
「私が可愛がってあげるわ。」 麻理が噴火したのを見ていたのか姉ちゃんが居間に入ってきた。
 「だからって何するんだよ?」 「今から二人でお食事に行きましょう。」
「へえ。 姉ちゃんって金持ってたっけ?」 「失礼ね。 使う相手も居ないからたーーーーーーーーっくさん持ってるわよ。」
 そうなんだ。 聞いたところによると毎年かなりの額を貯金してたみたいなんだ。 羨ましいよなあ。
これも彼氏が捕まらなかったおかげ? 寂しいもんだなあ。
 昔、だちのばあさんが言ってたらしい。 「金をいっぱい持ってる人間が一番偉いんだぞ。」
そうとは思えんけどなあ。 金持ちにろくなのは居ないから。
 というわけで珍しくファミレスに来たわけです。 「麻理は、、、。 居ないようだな。」
麻理が居ないことを確認してから姉ちゃんと二人で中に入る。 長くやってるファミレスだ。
 テーブルに落ち着いてメニュー表を見ておりますとウェイトレスが水を運んできた。
 「ご注文が決まったらこの画面にタップしてくださいね。」 テーブルの隅に置いてあるタブレットを指差す。
 姉ちゃんはあれやこれやと迷っている様子。 俺はさっさと決めてタッピング。
 料理が運ばれてきても姉ちゃんはまだまだ決められないご様子。 「早くしないと食べて行っちゃうぞ。」
「何でヨ? 待っててもいいでしょう? 意地悪。」 「あんたのほうが十分に意地悪ですけどねえ。」
「何よ? ここでも私を虐める気なの?」 「さっさとしろって言ってるだけだよ。 馬鹿みたい。」
「馬鹿で悪かったわね。 もう知らないわ。」 それ以来、姉ちゃんは無効を向いたまま。
 麻理といい姉ちゃんといい、今夜は虫の居所が悪過ぎるらしいなあ。 頼んでおいたビーフカレーを食べながらメニュー表と睨めっこしている姉ちゃんを見ているのであります。
 「まだ決まんねえのか?」 「うるさいわねえ。 黙っててよ。」
そう言うもんだから食べ終わった俺は金を払って先にファミレスを出て行った。