地上波のテレビ局は全て姿を消してしまった。 それだからか、タレントと呼ばれていた人たちも居なくなってしまった。
そうなるよなあ。 バラエティー番組も作れなくなったんだし、払えそうなギャラも無くなったんだし、、、。
30年前はあれほど居たのにみんな何処へ行ったのやら? あれだけ威張ってたフジテレビさえ消滅してしまった。
地上波で生き残れたのは、、、、、、、無かったわ。 みんな電波オークションで食い尽くされてしまったから。
「発展性が無い。」とか「将来性が見込めない。」とか「続ける意義は無い。」とか言われたなあ。
そりゃそうなるよ。 30年前までは相当に荒ぶれてたんだもんなあ。 タレントが問題を起こしまくり、テレビ局が問題を隠しまくった結果だった。
その結果、政界の記者クラブは完全に廃止されてネット記者の中継ステーションが作られた。 警察だって気象庁だってみんな同じだった。
さらに驚いたのは政界大再編だ。 しかもただの大再編じゃなかった。
当選3回以上の議員は全て辞職させられて補充の選挙が行われたんだ。
しかも元議員とか二世議員の立候補は禁止されたからさあ大変。 新人だらけの選挙は大変だった。
そのうえで全ての政党が白紙に戻されて保守党と革新党にまとめられてしまった。
もっと驚いたのは衆議院の小選挙区が中選挙区に戻されたことと参議院の比例代表は党名のみの投票に改められたことだった。
確かになあ、小選挙区になることで有名人が得をするような選挙が長く続いた。 それはいかん。
おまけに比例代表は党名だけで十分じゃないか。 個人名までオッケーっていうのはやり過ぎだよ。
個人名でやるようになるとこちらでも名前の売れた人が有利になる。 党はそっちのけでね。
そうなるとさあ政策が噛み合わなかったりいろんな問題が噴出したりするんだよなあ。 ただでさえ議員の低堕落が問題になってるのに。
おまけに票数稼ぎだって批判も絶えなかったよなあ。 確かに党票と個人票が入るんだもんなあ。
本当に民意を反映しているのか疑問だった。 そのおまけに重複立候補が禁止されたんだよね。
小選挙区で落選したのに比例区で復活当選するなんてゾンビじゃないんだから辞めてくれよな。
あっそうそう。 国会も年中無休で審議するようになった。 こうなると騒ぎ隊だけの連中は議員になれなくなるよね。
それまでは会期が決まっていて「この日まで延ばせば廃案に出来る。」なんてことがまかり通ってたんだ。
だからどの党もどの議員も真面目に審議しようとはしなかった。 遊んでいても寝ていても出席していなくても給料は貰えたからね。
今はきちんとタイムカードを押さないと給与に反映されなくなっている。 給与って国民から戴いた税金なんだもんね。
だからね、盆と正月以外は休みなんて無いのさ。 いつ何が起きるか分からないんだからね。
30年前とはうーーーんと変わったよ。 良くなった。
これで事件を起こそうものなら即刻辞職させられて追放されるんだぜ。 怖いだろう?
昔はなあ、禊を済ませればでっかい面で歩き回れたもんだ。 今はそれが出来ない。
やろうと思えばやれるじゃないか。 自民党なんて今は無いけどね。
10年前にさあとんでもない事件を起こして総裁が辞職したの。 それが再編のきっかけだったな。
さらにさらに企業献金 個人献金は寄付額に関わらず全て公開されることになった。 疚しい連中はこっそりと現金を渡しに来た。
でも半年に一度、厳しい経理調査が入ることになって全部が暴露されてしまったから大変。 隠れられなくなったんだねえ。
ついでに言えば文科省も厚労省も無くなったよ。 全てを地方行政に移換するからって。
財務省もかつての3割にまで小さくなった。 財務権限のほとんどを地方に分割したから。
そして「国が地方を指導し先導する。」っていうやり方を根本から撤廃したよ。
これからは「地方が国を先導するんだ。」ってね。 変わったもんだなあ。
そうじゃないと無茶苦茶な押し付けを地方が食らってしまう。 力が有る自治体はいいけれど寒村じゃあ耐えられない。
国主導の町村合併も禁止された。 いいように見えるけど地方がグダグダになるからさあ。
そんなわけで轟音を立てながら国家機構が動きに動いた30年だったわけよ。 それで今が有る。
朝食を済ませると俺たちは家を出る。 俺はいつものようにママチャリで交番へかっ飛ばすんだ。
その後ろには麻理が乗っている。 お巡りさんが二人乗りしてるぞーーーーー。
姉ちゃんはというと膨れっ面のままバスに乗ってショップへ、、、。 サボれませんからねえ。
交番に着いた俺たちはいつものように札を外しドアを開けて中へ、、、。 「お人形さん おはよう。」
麻理が人形の顔を撫でている。 「それさあ麻理って名前が付いてるんだけど、、、。」
「そうなの? 確かに似てるもんなあ。 ということはさあ、暇なことをいいことにこの人形と遊んでるのね?」 「何でだよ?」
「だって、この人形さあ私にそっくりじゃない。」 「そうだねえ、胸だけは。」
「何だと? もう一回言ってみろや。」 「ごめんごめん。 噴火しない噴火しない。」
「怒らせるあんたが悪いの。 謝りなさい。」 「ごめんなちゃい。」
「まったくもう、子供になればいいかと思って。」 そう言いながら麻理は俺の顔を見た。
「でもさあ、この人形よく出来てるわねえ。」 「だよなあ。 病気で死んだ妹さんに似せたんだって。」
「中野通交番 どうぞ。」 「こちら中野通交番です。 どうぞ。」
「今日も感度は良好。 どうぞ。」 「了解しました。」
いつも通りに形だけの点検をして後はのんびり過ごしましょうか。 姉ちゃんも来なくなったしねえ。
今や巡回しなくても良くなったんだ。 巡回ドローンが時間になれば勝手に飛んでいくから。
そのために二階の部屋は改造されてドローンの専属基地になった。
10時になると窓が開いてドローンが飛び出していく。 異変を見付ければ交番に通報して来るからそれを見て出ていけばいい。
ところがどっこい、これまでに一度も出掛けたことは無い。 何も起きないんだね。
2,3年したらドローンも無くなるんじゃないかって言われているくらいに平和なんだよな。 いいのか悪いのか、、、。
昼になったので麻理が作ってくれた弁当を食べようか。 いやいや日の丸弁当だ。
こういうのもいいねえ。 2段目におかずがぎっしり詰まってる。 肉じゃがに酢の物にサラダだって。
サラダを入れてるのは皿だ。 くだらないことを言わないの。
日の丸、そういえば交番の屋上にも掲揚されてたんだった。 日の丸は太陽の証。
じゃあ星条旗は? それは星の証。
月丸っていうのも有るんだよ。 よく見るとさあ日本以外に太陽は無いんだね。
アメリカ様だって中国様だって日本が統治してたってことだよ。 日本の力が弱くなったからこれだけ荒れたんだ。
それが証拠にアメリカ様も日本の国力を見直した。 あのイギリス様も敬礼をするように首を垂れた。
日本人はね威嚇したり脅したりしないから。 どんな時でも地味に対話を続けてきたんだ。
それを無視して押し切ろうとするからブチ切れるだけだよ。 日本人が怒ったら誰も手を出せなくなる。
それがやっとアメリカ様にも中国様にも理解できたんだね? やっと竹内文書の昔に戻れそうじゃないか。
「昼からはどうするの?」 「どうしようかなあ? 巡回する必要も無くなったから何にも無いよ。」
「そっか。 じゃあ本でも読んでようかな。」 麻理は物置だった部屋に入っていった。
この部屋、麻理と結婚してから改造したんだ。 窓も無い部屋だったからさあ。
きれいに掃除して机とソファーを置いて電照も付けて壁を明るくした。 ポスターなんかも貼ったりしてね。
それが麻理のお気に入りの部屋に生まれ変わったんだ。 なんか変だけど、、、。
そうなるよなあ。 バラエティー番組も作れなくなったんだし、払えそうなギャラも無くなったんだし、、、。
30年前はあれほど居たのにみんな何処へ行ったのやら? あれだけ威張ってたフジテレビさえ消滅してしまった。
地上波で生き残れたのは、、、、、、、無かったわ。 みんな電波オークションで食い尽くされてしまったから。
「発展性が無い。」とか「将来性が見込めない。」とか「続ける意義は無い。」とか言われたなあ。
そりゃそうなるよ。 30年前までは相当に荒ぶれてたんだもんなあ。 タレントが問題を起こしまくり、テレビ局が問題を隠しまくった結果だった。
その結果、政界の記者クラブは完全に廃止されてネット記者の中継ステーションが作られた。 警察だって気象庁だってみんな同じだった。
さらに驚いたのは政界大再編だ。 しかもただの大再編じゃなかった。
当選3回以上の議員は全て辞職させられて補充の選挙が行われたんだ。
しかも元議員とか二世議員の立候補は禁止されたからさあ大変。 新人だらけの選挙は大変だった。
そのうえで全ての政党が白紙に戻されて保守党と革新党にまとめられてしまった。
もっと驚いたのは衆議院の小選挙区が中選挙区に戻されたことと参議院の比例代表は党名のみの投票に改められたことだった。
確かになあ、小選挙区になることで有名人が得をするような選挙が長く続いた。 それはいかん。
おまけに比例代表は党名だけで十分じゃないか。 個人名までオッケーっていうのはやり過ぎだよ。
個人名でやるようになるとこちらでも名前の売れた人が有利になる。 党はそっちのけでね。
そうなるとさあ政策が噛み合わなかったりいろんな問題が噴出したりするんだよなあ。 ただでさえ議員の低堕落が問題になってるのに。
おまけに票数稼ぎだって批判も絶えなかったよなあ。 確かに党票と個人票が入るんだもんなあ。
本当に民意を反映しているのか疑問だった。 そのおまけに重複立候補が禁止されたんだよね。
小選挙区で落選したのに比例区で復活当選するなんてゾンビじゃないんだから辞めてくれよな。
あっそうそう。 国会も年中無休で審議するようになった。 こうなると騒ぎ隊だけの連中は議員になれなくなるよね。
それまでは会期が決まっていて「この日まで延ばせば廃案に出来る。」なんてことがまかり通ってたんだ。
だからどの党もどの議員も真面目に審議しようとはしなかった。 遊んでいても寝ていても出席していなくても給料は貰えたからね。
今はきちんとタイムカードを押さないと給与に反映されなくなっている。 給与って国民から戴いた税金なんだもんね。
だからね、盆と正月以外は休みなんて無いのさ。 いつ何が起きるか分からないんだからね。
30年前とはうーーーんと変わったよ。 良くなった。
これで事件を起こそうものなら即刻辞職させられて追放されるんだぜ。 怖いだろう?
昔はなあ、禊を済ませればでっかい面で歩き回れたもんだ。 今はそれが出来ない。
やろうと思えばやれるじゃないか。 自民党なんて今は無いけどね。
10年前にさあとんでもない事件を起こして総裁が辞職したの。 それが再編のきっかけだったな。
さらにさらに企業献金 個人献金は寄付額に関わらず全て公開されることになった。 疚しい連中はこっそりと現金を渡しに来た。
でも半年に一度、厳しい経理調査が入ることになって全部が暴露されてしまったから大変。 隠れられなくなったんだねえ。
ついでに言えば文科省も厚労省も無くなったよ。 全てを地方行政に移換するからって。
財務省もかつての3割にまで小さくなった。 財務権限のほとんどを地方に分割したから。
そして「国が地方を指導し先導する。」っていうやり方を根本から撤廃したよ。
これからは「地方が国を先導するんだ。」ってね。 変わったもんだなあ。
そうじゃないと無茶苦茶な押し付けを地方が食らってしまう。 力が有る自治体はいいけれど寒村じゃあ耐えられない。
国主導の町村合併も禁止された。 いいように見えるけど地方がグダグダになるからさあ。
そんなわけで轟音を立てながら国家機構が動きに動いた30年だったわけよ。 それで今が有る。
朝食を済ませると俺たちは家を出る。 俺はいつものようにママチャリで交番へかっ飛ばすんだ。
その後ろには麻理が乗っている。 お巡りさんが二人乗りしてるぞーーーーー。
姉ちゃんはというと膨れっ面のままバスに乗ってショップへ、、、。 サボれませんからねえ。
交番に着いた俺たちはいつものように札を外しドアを開けて中へ、、、。 「お人形さん おはよう。」
麻理が人形の顔を撫でている。 「それさあ麻理って名前が付いてるんだけど、、、。」
「そうなの? 確かに似てるもんなあ。 ということはさあ、暇なことをいいことにこの人形と遊んでるのね?」 「何でだよ?」
「だって、この人形さあ私にそっくりじゃない。」 「そうだねえ、胸だけは。」
「何だと? もう一回言ってみろや。」 「ごめんごめん。 噴火しない噴火しない。」
「怒らせるあんたが悪いの。 謝りなさい。」 「ごめんなちゃい。」
「まったくもう、子供になればいいかと思って。」 そう言いながら麻理は俺の顔を見た。
「でもさあ、この人形よく出来てるわねえ。」 「だよなあ。 病気で死んだ妹さんに似せたんだって。」
「中野通交番 どうぞ。」 「こちら中野通交番です。 どうぞ。」
「今日も感度は良好。 どうぞ。」 「了解しました。」
いつも通りに形だけの点検をして後はのんびり過ごしましょうか。 姉ちゃんも来なくなったしねえ。
今や巡回しなくても良くなったんだ。 巡回ドローンが時間になれば勝手に飛んでいくから。
そのために二階の部屋は改造されてドローンの専属基地になった。
10時になると窓が開いてドローンが飛び出していく。 異変を見付ければ交番に通報して来るからそれを見て出ていけばいい。
ところがどっこい、これまでに一度も出掛けたことは無い。 何も起きないんだね。
2,3年したらドローンも無くなるんじゃないかって言われているくらいに平和なんだよな。 いいのか悪いのか、、、。
昼になったので麻理が作ってくれた弁当を食べようか。 いやいや日の丸弁当だ。
こういうのもいいねえ。 2段目におかずがぎっしり詰まってる。 肉じゃがに酢の物にサラダだって。
サラダを入れてるのは皿だ。 くだらないことを言わないの。
日の丸、そういえば交番の屋上にも掲揚されてたんだった。 日の丸は太陽の証。
じゃあ星条旗は? それは星の証。
月丸っていうのも有るんだよ。 よく見るとさあ日本以外に太陽は無いんだね。
アメリカ様だって中国様だって日本が統治してたってことだよ。 日本の力が弱くなったからこれだけ荒れたんだ。
それが証拠にアメリカ様も日本の国力を見直した。 あのイギリス様も敬礼をするように首を垂れた。
日本人はね威嚇したり脅したりしないから。 どんな時でも地味に対話を続けてきたんだ。
それを無視して押し切ろうとするからブチ切れるだけだよ。 日本人が怒ったら誰も手を出せなくなる。
それがやっとアメリカ様にも中国様にも理解できたんだね? やっと竹内文書の昔に戻れそうじゃないか。
「昼からはどうするの?」 「どうしようかなあ? 巡回する必要も無くなったから何にも無いよ。」
「そっか。 じゃあ本でも読んでようかな。」 麻理は物置だった部屋に入っていった。
この部屋、麻理と結婚してから改造したんだ。 窓も無い部屋だったからさあ。
きれいに掃除して机とソファーを置いて電照も付けて壁を明るくした。 ポスターなんかも貼ったりしてね。
それが麻理のお気に入りの部屋に生まれ変わったんだ。 なんか変だけど、、、。



