自分と対話することは不可能だろうか。

可能とは言わない。だが、不可能とも言わない。

やろうと思えば、人間は自問自答という最高の独り言を交わし、今までの自分と折り合いをつけたりしながら、勝手に納得して、勝手に答えを導き出して、生きているだろう。

ならば、自分と対話することは、実は可能なのだ。

もっとも、その度合いがあまりに過ぎた場合、社会では不適合者として見られ、勝手に異常者のレッテルを貼られるのが現代なのだが――

私ひとりがそんなことを憂えたことで、なにが変わるわけでもない。

ただ、自ら作り上げたなにかと対話するのは、かわいい。

自分の中に、はじめから本当に存在するもうひとりの自分との対話は、実にえげつない。

そのえげつないものが、夢という意識の中、語りかけてくる。

―― 此度の自殺……悩んでおるな、真輝 ――

真鬼……

それは私と同じオトをした、私と同じ器の、私とは違う存在。