+湯けむり連続自殺事件

「自殺したのは、真輝ちゃん、やっぱりあの四人のひとり?」

あるの確認に、真輝はこくりと。

「そうか。だとしたら事件に関連性があるね。あのメンバーが自殺をする。暗示にせよ催眠術にせよ、あのメンバーを狙っている人間がいる。または、あのメンバーに犯人がいるね」

「少なくとも確定的なのは」

三角座りの一二三が、定義する。

「この旅館で起こっている自殺は、れっきとした殺人だということ」

だれも、異議は唱えない。

賢一がおずおずと、提案した。

「やっぱり、始めますか、調査」

と、意識はしていないがつい、姉と同じ倒置法で。

もっとも、だれかが決断へ乗り出す前に、

「アル刑事、事件はどうなっていますかな? 遺体現場に野次馬が殺到していますがねぇ?」

一ツ橋が急かしに来たのだった。

そして作者は痛感している。

十人も喋らせるなんて大変。

総出演じゃなく、適度にセーブすればよかったと。