今度は香澄が手をあげる。
「可能性は? 暗示という」
仁が手を打った。
「なるほど、そっちの手があるか。なにかの拍子にスイッチを入れさせる暗示ならば、催眠術のような誘惑より強い。本人に『しなければいけない』という刷り込みを与えれば、自分をめった刺しにするのもいとわないだろうよ」
「でもそれには手順が要ります」
楓が腕を組む。ううむとうつむいた。
「暗示をかけるには対象者と向き合う必要がありますし、そうとわからないように暗示をかけるのはかなりの高等技術です。それこそ、そこにいる六条くんの邪眼並みの力がなければ、暗示は速効性に欠けます。さすがに、自殺しろなんていう暗示、かけられる時点で抵抗をします」
「問題はまだあるわね」
と真輝。
「暗示をかけるためには手順が要る。ならば、それだけの手順をいつ施したか。仮に暗示だとして……仁、暗示は魔法魔術の要素が必要?」
「いや、科学的なものだからな、そりゃない。心に押し付けるんだ。催眠術みたいな誘惑じゃない、命令だな。が、やり方をしってるヤツには不思議でもなんでもない。そうだな、簡易的なものなら一分、相手と二人っきりになりゃあできんこともない」
「可能性は? 暗示という」
仁が手を打った。
「なるほど、そっちの手があるか。なにかの拍子にスイッチを入れさせる暗示ならば、催眠術のような誘惑より強い。本人に『しなければいけない』という刷り込みを与えれば、自分をめった刺しにするのもいとわないだろうよ」
「でもそれには手順が要ります」
楓が腕を組む。ううむとうつむいた。
「暗示をかけるには対象者と向き合う必要がありますし、そうとわからないように暗示をかけるのはかなりの高等技術です。それこそ、そこにいる六条くんの邪眼並みの力がなければ、暗示は速効性に欠けます。さすがに、自殺しろなんていう暗示、かけられる時点で抵抗をします」
「問題はまだあるわね」
と真輝。
「暗示をかけるためには手順が要る。ならば、それだけの手順をいつ施したか。仮に暗示だとして……仁、暗示は魔法魔術の要素が必要?」
「いや、科学的なものだからな、そりゃない。心に押し付けるんだ。催眠術みたいな誘惑じゃない、命令だな。が、やり方をしってるヤツには不思議でもなんでもない。そうだな、簡易的なものなら一分、相手と二人っきりになりゃあできんこともない」

