真夜中になった。
仁、アル、真輝は、起きている。
仁は苦い顔でタバコをくわえ、アルは窓の外を見ていた。
三日月の光の中では、鳥――いや、蝙蝠が忙しく羽ばたいている。
一羽の蝙蝠を手元へ舞い戻したアルが、二人に告げる。
「近くに妙なヤツはいないみたいだ。むしろ、獣もいないくらい平和だよ、この辺は」
「そう」
と、正座したまま、まぶたを閉じた真輝が受ける。
凛とした佇まいで座る彼女に、大きな窓から差し込む月光と浴衣は、あまりに似合いすぎていた。
さすがは日頃、寝巻きにひとえを愛用しているだけはあり、また、由緒ある東城家の一人娘である。
美少女――としか言い様がない。
「フジオカが深夜に、と言ったのだから……そろそろかしらね」
真輝は風間純のことをフジオカと呼ぶ。その理由は本編でするとして。
仁が、くわえているタバコをひょこひょこ上下させた。
薄暗い室内で、赤い点が振幅する。
仁、アル、真輝は、起きている。
仁は苦い顔でタバコをくわえ、アルは窓の外を見ていた。
三日月の光の中では、鳥――いや、蝙蝠が忙しく羽ばたいている。
一羽の蝙蝠を手元へ舞い戻したアルが、二人に告げる。
「近くに妙なヤツはいないみたいだ。むしろ、獣もいないくらい平和だよ、この辺は」
「そう」
と、正座したまま、まぶたを閉じた真輝が受ける。
凛とした佇まいで座る彼女に、大きな窓から差し込む月光と浴衣は、あまりに似合いすぎていた。
さすがは日頃、寝巻きにひとえを愛用しているだけはあり、また、由緒ある東城家の一人娘である。
美少女――としか言い様がない。
「フジオカが深夜に、と言ったのだから……そろそろかしらね」
真輝は風間純のことをフジオカと呼ぶ。その理由は本編でするとして。
仁が、くわえているタバコをひょこひょこ上下させた。
薄暗い室内で、赤い点が振幅する。