桜の舞う夜、彼らは


 一週間後。
 あくびを噛み殺しながら、学校の玄関へ向かっている途中。

「りぃ~~~んっっ!!」

 背中にドンッ! っと大きな衝撃(しょうげき)がきて、倒れそうになるのをギリギリ抑える。
 ふり返ると、優弥と静弥が仲良く並んで挨拶してくれた。

「おはよう~っ!」

「……はよ」

 私も微笑んで「おはようございます」と返す。
 すると、優弥がキラキラと瞳を輝かせて、私を見る。

「今日お店来る? 来るよねっ?」

 あれからみんなと出会ったお店――『Ruo(ルオ)』に通ってる。
 今日も特に予定はないので、頷く。

「はい。行こうと思ってます」

「そっか! 嬉しいなぁ~、待ってるね!」

(可愛いなぁ……)

 ニコニコと可愛いオーラ全開の優弥に、心が癒される。

「……優弥」

「ん? どーしたの、静弥」

 優弥が静弥の顔を覗き込んで、首を傾げる。

「……ライン」

「あ!! そうだった! ありがとう、静弥っ」

(……ライン?)

 私は首を傾げる。
 すると、優弥がポケットからスマホを取り出して、QRコードを開いた。

「ライン交換しよ? 桜華組のグループラインも、後々入らなくちゃいけないし!」

「わかりました」