黒いサラサラな髪の毛に、口元のほくろが特徴的な蓮さん。
小さく口角を上げて、大人な雰囲気が醸し出されている。
「……幹部。亜豆馬 伊織」
センター分けの前髪から、伊織の綺麗な黒い目が覗いた。
うん、知ってる。
「同じく幹部の矢月 優弥! 静弥のお兄ちゃんで、十六歳! よろしくねっ」
色素の薄い、男の子にしては少し長めの前髪を耳にかけて、可愛く笑う優弥。
「……幹部、矢月 静弥。静弥でいい……十六歳。よろしく」
静弥は優弥と反対の分け目で、眠そうに目を擦っている。
「同じく幹部の篠崎 海斗! 伊織の親友で、十七歳の高二! よろしくな!」
焦げ茶の短髪で、二カッと人懐っこい笑みを浮かべる海斗さん。
伊織は少し恥ずかしそうにしながら、首を触った。
伊織が首を触る癖は、”嬉しい”って思ってる時だ。
(嬉しいって思うほど、仲がいいんだなぁ)
最後に、カウンターで洗い物をしてる理希さんが、「小宮 理希だ。よろしくな」と一言自己紹介した。
「滝野 鈴です。伊織の幼馴染で、十六歳です。……よろしくお願いします」
少し微笑むと、みんなが「「「よろしく(!)」」」と返してくれた。
その後は、みんなで他愛のない話をした。例えば、亜希さんと理希さんは四歳違いの兄弟、という話とか。
「そういえば鈴さん、門限とか大丈夫なんですか?」
蓮さんが思い出したように私に話しかけた。
亜希さんは「そうだった!!」と顔を青くする。
「ごめん! 最初に聞いておくべきだったよね……大丈夫?」
「……大丈夫です。一人暮らしなので」
「ええ!? 一人暮らし!?
料理とか、掃除とか全部一人でやってるのっ!?」
「はい。高校生になってから」



