突然の質問に驚いたけど、とりあえず答える。
「全部噂から聞いた話ですけど、四・五年前に暴走族を潰すために作られた世直しグループで、警察と協力して主に治安の悪い街で活動している……ということくらいです。あとは関係者しか桜華組のメンバーは分からない、とかですかね?」
「正解。……で、本来なら一般人には桜華組のメンバーが分からない。けど、鈴ちゃんは知っちゃったよね。そういう場合、仲間にしようって、みんなで決めたんだ」
「……そうなんですね」
亜希さんは少し悲しそうな顔で、続けた。
「昔、鈴ちゃんみたいにたまたま俺達の素顔がバレちゃって、一緒に行動してたら……裏切られたことがあって」
”裏切られた”というワードに、私の肩がビクリと震えた。
海斗さんも当時のことを思いだしたのか、小さく眉間にシワを寄せている。
「その出来事があってから、新しいメンバーを入れようとする時はすごく慎重になっちゃったんだ。だから、申し訳ないけど……鈴ちゃんを信用しても大丈夫って言えるように、一緒に行動して欲しい。
――俺達の事情で、巻き込んでごめんね」
私は、太ももにおいていた手に、ぐっと力を入れた。
「……要は、監視ってことですよね」
一般人の私に秘密を知られた以上、野放しには出来ないだろうから。
ずっと黙っていた理希さんが、口を開く。
「まあ、そういうことだ。でも、亜希は本気でお前のことを桜華組に入れたがってるだろ?」
え、と亜希さんの方を見ると、「そうだよ」と言った。
「なんでですか? 私、亜希さんと初対面ですよね?」
「そうだけど……俺、ここに来る前に伊織と会ってたんだよね。それで、伊織が”鈴は信用できる”って言ってたんだ。俺達が信用できる仲間が、信用できるって言ったなら……大丈夫かなって」
胸が、自然と暖かくなった気がした。
初対面だけど……すごく、素敵な人達だと思った――。



