君の隣。




雅人と別れたあと気持ちは完全に吹っ切れているわけもなくて、最初の頃は思い出しては泣いてた

それでもだんだん時間が経つにつれて思い出すことも少なくなって完全ではないけれど次に進めそうな気がしてきていた


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ある日同じクラスのエマと話していた

エマから
「隣のクラスの新太(あらた)って知ってる?」

と聞かれた

自分のクラス以外の子とあまり交流がなかったからわたしは全く知らなかった

「今連絡取り合ってて良い感じなんだよね~」

「そうなの?!全然知らなかった!うまくいくといいね」


そんな話をしているときエマが
「あ!新太ー!!あの人だよ」

たまたま廊下を通りかかった新太にエマが声をかけた

わたしと新太がはじめて会ったのはその時だった





下崎新太(しもざきあらた)
1年5組で偶然にもわたしと苗字が同じだった



新太とはじめて会った日以降休み時間になるとエマと3人でよく廊下で話をしていた


ある時エマから
「新太といい感じだったんだけどなんだか私の気持ちが冷めちゃって今は仲のいいともだちって感じ
そんなことよりもバイト先に新しく入ってきた人がイケメンで…」

そう、エマはいわゆる恋多き女の子だ

新太と連絡先をすでに交換していたわたしは少しホッとした
なぜなら新太からエマに気持ちが無いことをメールで聞いていたからだ
新太はエマの気持ちに気づいていて少し悩んでいた

"エマとは仲のいいともだちかな"

新太もそう言っていた

でもこれでエマが失恋することは無くなった









エマがバイト先のイケメン君に恋をしてからわたしと新太はよく2人で話すようになった

わたしの高校は女子ハンドボール部が無かったから男子ハンドボール部のマネージャーとして入部することに決めてそこで知り合った美波(みなみ)も一緒に3人で話す機会が増えてきた