君の隣。



「奈津ってだれ?」

泣かないようにこう言うのが精一杯だった


「っっ!!」

驚いた顔をしていた

「ごめん、新太の携帯にちょうどメールがきてたから見ちゃった」


「奈津は中学のときの元カノだよ、」


「ほんとに会いたいと思ってるの?」

「いや、思ってない
そう思いそうになったけど踏みとどまった」


思ってない…?
メールでは会いたいと言っていたのに

「信じてもらえないかもしれないけど俺には柚那だけだよ
たとえ物の貸し借りだけだとしても会うのは間違いだった
ごめん、」


信じたいけど信じれない
でも別れたくない


「俺は柚那と別れたくない、
女子の連絡先全部消したっていいよ…」


連絡先消したらわたしの気持ちは落ち着くの?
わからない


もうわたしはすでに泣いていた


「ここで話すよりひとまず俺ん家行こ」


新太の家に着くまで2人とも無言だった

わたしは泣くことしかできなかった


新太の部屋に入ったあと

「ごめん、泣いてるのはほっとけない、抱きしめていい?」

そう言われて拒めなかった
きっとまだ新太のことがだいすきだからだ

新太はわたしを抱きしめながら
「柚那はどうしたい?」
そう聞いてきた


「わたしも別れたくない」

別れたくなかった

「信用してもらえるように頑張る、ごめんな」


それからわたしの目の前で女子の連絡先を新太は消していた

でも全然気持ちは晴れない


これでよかったのかな…