君の隣。





美波と勇斗は結論から言うと長くは続かなかった

わたしも新太とは喧嘩することがあってその度に美波や勇斗に話を聞いてもらっていたが、
美波と勇斗はそれ以上に喧嘩が多かった

もちろん美波から、そして勇斗からもたまに相談されることがあって何度か仲裁することもあったけれど最終的に勇斗が振るかたちとなった



美波と勇斗が別れたことによってわたしたち4人は一緒にいることがなくなった



わたしは新太とのことで何かあると勇斗によく相談するようになっていた
やましい気持ちは一切なくただただ勇斗に話を聞いてもらいたかった





美波と勇斗が別れてからしばらくしたある日、美波から

「もうすぐ新太の誕生日じゃん?
新太の誕プレ買いたいから一緒に選んでくれる?
新太に聞いてもなんでもいいって言うんだよねー」


耳を疑った

みんなで誕生日パーティーの予定なんてないし、
美波が新太に渡す誕プレを彼女のわたしが選ぶ?

なにかおかしいと思うのはわたしだけだろうか
わたしの感覚がおかしいのかな
わたしの心が狭すぎなのかな


わからなくなった

でもなんだか嫌だった
たとえ美波でも他の女の子が新太に誕プレを選んで渡すのがなんだか嫌だった

でも美波に言えなかった

日常的に連絡を取り合っていることも嫌だった

でもわたしも新太のことの相談とはいえ勇斗とメールをすることもあるから人のことは言えないのだけれど…



結局一緒に買い物に来てしまった

美波は多分何も思っていなくて

"あれよさそうだね!"
"こういうの新太好き?"

とわたしに聞いてきたがわたしは相槌をうつのがやっとでなんだか自分がみじめに思えてきて終始泣きそうだった



美波は
"新太喜んでくれるといいなー!"
"今日はありがとう"

と帰っていった


その後わたしは泣きながら勇斗に連絡していた