君の隣。




「柚那~
おはよ、起きて~  
もうすぐ日の出だぞ~」


「ん~、おはよ~
まだ暗いねー、準備するね」


まだ新太の両親は寝てるみたいだった

わたしは歯磨きなど済ませてテントに戻ると新太がテントの前にイスを置いてくれていた
まだ暗いけれどきっと目の前には富士山が見えるのだろう


「イスありがとう
まだこの時間は肌寒いね」

"これ掛けときな"と新太は毛布を掛けてくれた


「親まだ寝てるし日の出までまだ時間あるから
ここで話しながらまってようか」







と新太が話しだした


「柚那はさ、
俺がはじめて柚那の存在を知ったのエマが俺に教室から声をかけた時だと思ってるだろ?

ほんとは違うんだよ、
俺がはじめて柚那の存在を知ったのは…」


合格通知が届いたすぐ後、まだわたしたちが高校へ入学する前の入学説明会の日だったらしい

その日は入学するにあたって学校の説明や制服、教材の注文販売の日でわたしたちは偶然にも苗字が同じだったから座席が前後の位置だった

わたしが席を立って後ろを振り返りあたりを見渡してる時にうしろにいた新太はわたしを見たらしい


その時、新太はわたしを見て一目惚れまではいかないけれどどこが気になる存在で入学したあとも覚えていたらしい


「なんなら俺の足が柚那のイスにぶつかって
"すみません"って会話したぐらいだぞ笑」

「ぜんっぜん覚えてない!笑
そんな前にわたしのこと知ってたんだね笑」


「あの時柚那のこと見て不思議な気持ちになったんだ
それで入学した後もずっと覚えてて
柚那と話をするようになってこうして俺の彼女になって…
ってなんかすごいことだよな!」


「恥ずかしいけど俺すごい柚那のこと好きだよ
こうして一緒にキャンプにも来れて
ありがとな」



すごい嬉しかった
新太はいつも言葉にしてわたしに伝えてくれる

"わたしも新太のことだいすきだよ"

自然とその言葉を新太に伝えていた

わたしはちゃんと新太のことを好きになっていたみたいだ