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コマ1:
夕方、大学の研究棟前。拓海が立っていて、澪が少し緊張した面持ちでやってくる。

コマ2:
拓海がいつも通りの優しい笑顔で迎える。
【拓海】
「来てくれてありがと。……なんとなく、察してたけどさ。」

コマ3:
澪が申し訳なさそうに頭を下げる。
【澪】
「ごめんなさい……拓海先輩は、本当に優しいから。だから、ちゃんとお返事しなきゃって思ったの。」

コマ4:
拓海が澪の言葉を遮るように、軽く笑って言う。
【拓海】
「ねぇ、澪。泣きながら好きな人の話をする子に、俺は勝てないよ。」