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「ごめんね、急に来てもらって」
「別にいいけど、どうした?」
原因追及のため、わたしは璃央を家に呼び出した。
「あの、ちょっとお話がありまして」
「えっ・・・なに?」
2人でソファに座る。
妙に静かな空気が流れる。
「あのさ、もしかして最近あんまり寝れてない?」
「えっ・・・いや・・・」
この返事、完全に“寝れてない”やつだ。
「ごめん!わたしのせいだよね?
自分じゃ分からないんだけど、もしかしていびきとか歯ぎしりすごい?」
「全然」
「じゃあ、すごい寝言言ってるとか?」
「ううん」
「じゃあ、寝相めちゃくちゃ悪かったりする?」
「しないけど」
「じゃあ、わたしと寝るの落ち着かない?」
「・・・」
あ。沈黙。
そっか、わたし自身の問題か。
璃央にとって安心できる存在でありたかったけど、
それもわたしじゃ無理だったんだ。
「ごめんね、無理させて!
自分が爆睡できてるから璃央もそうだと思っちゃった。
嫌なら言ってくれれば、よかったのに」
「別に嫌なわけじゃなくて・・・」
「そうだよね。本人には言いづらいよね!
ごめん!もう一緒に寝よなんて言わないから安心して」
もっと早く気づいてあげるべきだった。
璃央を甘やかすつもりが、逆に負担をかけてたなんて。
なにやってんだろ。
「そうじゃなくて!」
璃央が突然声を張った。
「お前に隣で寝られたら理性保つの必死で寝れないって言ってんの!」
・・・え。
思考が一瞬止まる。
「だからほんとに嫌とかそういうんじゃなくて・・・って優愛?」
気づけば涙が頬を伝っていた。
「ごめん、大きい声出して」
璃央が慌てて、わたしの涙を指先でぬぐってくれる。
その手があたたかくて、また涙が溢れた。
「怖がらせてごめんな」
「違うの。嬉しくて・・・」
「えっ・・・」
「わたし璃央にそういう風に思ってもらえること、一生ないって思ってたから」
妹じゃなく、女の子として。
そう見てくれたことが、嬉しくて、たまらなくて。
「ごめん、泣くなんて大げさだよね。
大丈夫、ちゃんと分かってるから。
別にわたしのこと好きとかじゃなっ・・・」
言葉の続きを奪うように、
璃央の唇が静かにわたしの唇に触れた。
え・・・?
すぐに何が起こったか理解できなくて一瞬時間が止まる。
「ちょっと・・・」
慌てて璃央から離れようとしたけれど
「優愛・・・」と囁く声がそれを止めた。
熱を帯びた瞳がまっすぐにわたしをとらえる。
頬に添えられた手の温もりが、思考を全部さらっていく。
そして再び、璃央の顔が近づいてきて――
わたしはそっと目を閉じた。
触れた唇は優しくて、
まるで「好きだよ」と言葉の代わりに伝えてくるみたいだった。
そんなのはきっとわたしの勘違い。
だけど、もう止めるなんてできない。
このキスも。この想いも。
「ごめんね、急に来てもらって」
「別にいいけど、どうした?」
原因追及のため、わたしは璃央を家に呼び出した。
「あの、ちょっとお話がありまして」
「えっ・・・なに?」
2人でソファに座る。
妙に静かな空気が流れる。
「あのさ、もしかして最近あんまり寝れてない?」
「えっ・・・いや・・・」
この返事、完全に“寝れてない”やつだ。
「ごめん!わたしのせいだよね?
自分じゃ分からないんだけど、もしかしていびきとか歯ぎしりすごい?」
「全然」
「じゃあ、すごい寝言言ってるとか?」
「ううん」
「じゃあ、寝相めちゃくちゃ悪かったりする?」
「しないけど」
「じゃあ、わたしと寝るの落ち着かない?」
「・・・」
あ。沈黙。
そっか、わたし自身の問題か。
璃央にとって安心できる存在でありたかったけど、
それもわたしじゃ無理だったんだ。
「ごめんね、無理させて!
自分が爆睡できてるから璃央もそうだと思っちゃった。
嫌なら言ってくれれば、よかったのに」
「別に嫌なわけじゃなくて・・・」
「そうだよね。本人には言いづらいよね!
ごめん!もう一緒に寝よなんて言わないから安心して」
もっと早く気づいてあげるべきだった。
璃央を甘やかすつもりが、逆に負担をかけてたなんて。
なにやってんだろ。
「そうじゃなくて!」
璃央が突然声を張った。
「お前に隣で寝られたら理性保つの必死で寝れないって言ってんの!」
・・・え。
思考が一瞬止まる。
「だからほんとに嫌とかそういうんじゃなくて・・・って優愛?」
気づけば涙が頬を伝っていた。
「ごめん、大きい声出して」
璃央が慌てて、わたしの涙を指先でぬぐってくれる。
その手があたたかくて、また涙が溢れた。
「怖がらせてごめんな」
「違うの。嬉しくて・・・」
「えっ・・・」
「わたし璃央にそういう風に思ってもらえること、一生ないって思ってたから」
妹じゃなく、女の子として。
そう見てくれたことが、嬉しくて、たまらなくて。
「ごめん、泣くなんて大げさだよね。
大丈夫、ちゃんと分かってるから。
別にわたしのこと好きとかじゃなっ・・・」
言葉の続きを奪うように、
璃央の唇が静かにわたしの唇に触れた。
え・・・?
すぐに何が起こったか理解できなくて一瞬時間が止まる。
「ちょっと・・・」
慌てて璃央から離れようとしたけれど
「優愛・・・」と囁く声がそれを止めた。
熱を帯びた瞳がまっすぐにわたしをとらえる。
頬に添えられた手の温もりが、思考を全部さらっていく。
そして再び、璃央の顔が近づいてきて――
わたしはそっと目を閉じた。
触れた唇は優しくて、
まるで「好きだよ」と言葉の代わりに伝えてくるみたいだった。
そんなのはきっとわたしの勘違い。
だけど、もう止めるなんてできない。
このキスも。この想いも。

