２つ上の兄が連れてきた友達に、 幼いわたしは一瞬で恋に落ちた。 「ママ、王子様がいる」 それがわたしの“初恋”だった。 でも――時が経ち“王子様”は、 女の子と遊んでばかりの、どうしようもない人になっていた。 もう、璃央なんか大嫌い。 ……そう思っていたいのに。 「こういうの、優愛、好きかなって」 「俺がどれだけ優愛のこと好きか」 「優愛と一緒にいれるだけで幸せってことだよ」 ねぇ、そんなふうに優しくしないでよ。 妹みたいにしか見てないくせに、また――好きにさせないで。 ＊～～＊～～＊～～＊～～＊～～＊～～＊～～＊ 素直になれないツンデレ女子高生 　田嶋 優愛（たじま ゆあ） 　　　× 愛に臆病な遊び人 　久松 璃央（ひさまつ りお） ＊～～＊～～＊～～＊～～＊～～＊～～＊～～＊ “好き”と“嫌い”を行ったり来たり。 終わらせたはずの初恋が――もう一度、動き出す。

「ひどいよ、楓」 「うん、ごめん。 でもこれ以上何も望まないから、俺の血でだけ満たされて」 ＊～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～＊ １億人に1人の碧色の瞳を持つ吸血鬼令嬢 月夜野　優李（つきよの　ゆうり）【17】 × 吸血鬼社会で生きる下等種族の人間従者 松島　楓（まつしま　かえで）【17】 ＊～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～＊ 人間より遥かに優れた力で、 人間界をも支配するヴァンパイア。 その中でも特に強い力を持つ伯爵家の娘・優李に、 楓は人間でありながら恋心を抱いていた。 だけど、それは決して許されない恋。 告げられない想いの代わりに、楓は彼女に血を捧げる。 『心も体も手に入らないと分かっているから、 せめてこの特別だけは奪わないでほしい』