私が咄嗟に思いついた小説集

『その吉原には誰もが振り返る美人な花魁がいました』

『花魁ならみんながみんな、美人じゃないの?』

『でも花魁は全員がなれる訳ではなく、ひと握りらしいよ』

それはつまり、美貌や教養が兼ね備わっていて

『美優紀も、源氏物語読んだことあるでしょ?』

『まぁ、お姉ちゃんが古典文学が好きだから、一冊は古いけど家にあるよ』

うちの姉、真由美は本当に古典文学が大好きだ

だから家には古典文学系の本が沢山

『その物語の主人公、光源氏の奥さんの呼び方なんだって、その光源氏の奥さんもめちゃくちゃ美人らしいね』

『まぁ、そうだね』

『そんでね、話の続きなんだけど、若紫もすごい美人だったらしくて』

『それで?』

『その花魁にはたくさんのお客さんも来たんだって』

今日の百合香はどこかキラキラしてる

そんなにその話が好きなのかな

『でもそんな若紫花魁にも吉原を出るチャンスが訪れました』

『あー結婚でしょ?結婚が決まってみんなに祝福されたんだってね』

花魁達には吉原を出る道がふたつあった